マンU番記者に聞く、香川の役割と課題
最低でも10ゴールを期待
マンUで2シーズン目を迎えた香川に求められる役割と課題は何なのか。 過去にモイーズ監督との確執があったイングランド代表FWウェイン・ルーニーの移籍を巡る報道が騒がしい中、今回の遠征には、地元のメディアが20人ほど帯同していた。私は、彼らに「香川に求められる役割と課題」についての質問を投げかけた。 『Man. United magazine』のダグ・ランゲロッド記者は、「ルーニーは間違いなくチームを去る」と前置きした上で、昨シーズンまでルーニーが務めていたトップ下に香川を固定すべきだと主張した。 「ドルトムントで輝きを放っていたレヴァンドフスキとの縦の関係を、得点王のファン・ペルシとのコンビでさらにスケールを大きくして再現してほしい。ユナイテッドのファンの誰もがベストと思っているコンビであり、シンジほどのファンタスティックなプレーヤーなら必ずできると思う。ただ、ユナイテッドには代わりを務められる選手が数多くいる。結果を残せなければ、ポジションを明け渡さなければいけない。だからこそ、シンジには昨シーズンの6ゴールを上回り、最低でも10ゴールを期待したいね」 ルーニーの移籍が「シンジにいい影響を与える」と指摘するのは、『telegraph media group』のジュリアン・ライアル記者だ。 「イングランドにおける彼の1年目は、ルーニーという大きな壁があった関係で、試合に出たり出なかったりと非常に難しいものになった。ポジションも左サイドが多かった。その意味では、今シーズンは快適なものになるだろう。ただ、アレックス・ファーガソンが去った今シーズンのユナイテッドは、決して盤石ではないと私は思っている。主力選手の高齢化も進んでいる中で、モイーズは大きな決断を迫られるかもしれない。チームが大きな問題に直面する中で、シンジは主力としてチームをけん引できるかどうか」 香川は昨年6月、ユナイテッドを26年間率いた前任のファーガソン監督から熱いラブコールを受けてドルトムントからの移籍を果たしている。その後ろ盾がなくなった。『日本スポーツ企画出版社』のヨーロッパディレクターを務めるスティーブ・マッケンジー記者は、例えるなら「父親のような存在」だった前監督が去ったことが大きなプレッシャーになるという意見を持つ。 「今シーズンのシンジは『ナンバー10ロール(トップ下)』のポジションでより強く、より大きな役割を求められるし、それに十分応えられる選手であることをモイーズ新監督に証明しなければならない。常に大きな期待を背負うことになるが、彼はドルトムントでプレーしていた時と同様に、それをコントロールしていかなければならない」