マンU番記者に聞く、香川の役割と課題
現時点ではサイドでのプレーも難しい?
この日の横浜Fマリノス戦後に記者会見に臨んだモイーズ監督は、香川のポジションについて言及を避けている。 「まだ1日しか彼を見ていない。試合で見たのも今日が初めてだが、いいプレーをしていた。ファーガソンからはいいコメントをもらっているが、今後の彼の成長次第でいいポジションを考えようと思う」 香川を寵愛した前任者からの助言は受け取るものの、決めるのはあくまでも自分と言いたいのだろう。 横浜Fマリノス戦に続き、26日には長居スタジアムに場所を移し、古巣セレッソ大阪とのプレシーズンマッチに臨む。香川は、心身のコンディションを上げて、自身も望むトップ下のポジションを自分の力で勝ち取らないといけない。 8月からは4か月連続で日本代表の試合も組まれ、もちろん主力を務める香川も招集される。『PRESS ASSOCIATION』のサイモン・ストーン記者は「コンディションの維持がカギを握る」と昨シーズンを例に出して厳しい見方をしている。 「昨年10月のナショナルチームの遠征から戻った直後に負傷して、約2か月間の欠場を強いられた。リハビリを経て復帰した時には、ユナイテッドは重要な試合が連続していて、残念ながらシンジはその中に上手く入っていけなかった。同じことを絶対に繰り返してはいけない。彼はエースストライカーの背後のポジションでのプレーを求められるはずだが、現時点のフィジカルコンディションを見ると、サイドとしてプレーするのも難しいのではないか」 香川は、マリノス戦後、新体制のもので臨むユナイテッドの2シーズン目にかける決意を、短い言葉の中に凝縮させた。 「自分の色をもっと出していきたい。ここで成長することが、W杯にもつながっていくと思うので」 ユナイテッドの2013‐14年シーズンは8月第3週、敵地で行われるスウォンジ戦で幕を開ける。真価を問われる香川の戦いが、いよいよ始まった。 (文責・藤江直人/論スポ)