20年前に100万円で購入した”金”を売ったら5倍の「500万円」に!所得税はいくらかかるのでしょうか?
将来の資金や有事に備えて、金を購入している方もいるでしょう。 金の価値が上昇したタイミングで売却するケースもあります。金は、売れた金額によって課税される可能性もあるため、売却時には売った金額が分かるものを保管しておきましょう。 今回は、金を売ったときに所得税がかかるケースや、100万円で購入した金を500万円で売ったときの所得税額などについてご紹介します。
金を売って利益が出れば所得税の課税対象に
金を売って得た利益は、所得の一つである「譲渡所得」として扱われ、給与所得を始めとするほかの所得と合算して所得税を求めます。ただし、営利目的として継続的な売買を行っているときは、譲渡所得ではなく事業所得や雑所得です。 金の売却利益は、売却時の価格から購入時の価格および売却に直接必要となった諸費用を引いて求めます。なお、課税対象となる金額は、金の保有期間が5年を超えているか5年以内かによって変動するため、注意が必要です。 以下では、国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.3161金地金の城尾による所得」を基に5年を超えているものと超えていないもののそれぞれの課税金額の求め方をご紹介します。 ■5年を超えて所有していたときの課税金額 売却した金の保有期間が5年を超えていたときの課税金額は、以下の手順で求められます。 ・譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益 ・{[金地金の譲渡益]+[その年の金地金以外の総合課税の譲渡益]}-譲渡所得の特別控除50万円=譲渡所得の金額 ・(譲渡所得の金額)×2分の1=課税される譲渡所得の金額 ただし、譲渡所得の特別控除の額は、その年の金地金の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額に対して50万円です。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できない点に注意が必要です。 例えば、購入時の金額が100万円で10年後の価格が400万円となった金を売却した場合で、手数料はかからずほかの譲渡益もなかったと仮定します。条件を基にすると、譲渡益は300万円、譲渡所得が250万円となるため、課税金額は125万円です。 ■所有期間が5年以内だったときの課税金額 売却した金の保有期間が5年以内の場合は、以下の手順で計算します。 ・譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益 ・{[金地金の譲渡益]+[その年の金地金以外の総合課税の譲渡益]}-譲渡所得の特別控除50万円=課税される譲渡所得の金額 計算式からも分かるように、5年以内だと課税金額が増加します。もし、保有期間が5年を超えていたときと同条件だとすると、譲渡益は同じ300万円、課税金額が250万円です。 もし金を売ろうか悩んでいて、保有期間が5年以内のときは、保有期間が5年を超えるまで待つことも税額を安くする方法の一つです。なお、特別控除が50万円のため、譲渡所得が50万円を超えなければ課税されないでしょう。