細江中が静岡県勢初のアベック入賞…全国中学駅伝で男子3位…4区柘植源太が区間賞…女子も8位入賞の健闘
◆全国中学校駅伝 (15日、滋賀県希望が丘文化公園芝生ランド=男子・6区間18キロ、女子・5区間12キロ) 男女で出場した細江が、県勢初のアベック入賞を達成した。男子は57分57秒で県勢男子最高タイの3位でフィニッシュ。4区の柘植源太(3年)が区間賞となる9分7秒でトップに躍り出る快走を見せた。女子は43分32秒で8位に入賞。3区の沢田美紗(2年)が7人抜きで入賞ラインまで順位を上げる貢献を果たした。 **** 細江の柘植は、表彰台の上で首にかけた銅メダルに目尻を下げた。「入賞が目標と言っていたが、内心は3位を狙っていた。メダルが欲しくて仕方がなかったのでうれしい」。先に女子が8位入賞を決めていたことが「すごい刺激になりました」と明かす。県勢男子の3位は、第1回大会・1993年の御殿場西以来の快挙。氏原卓也監督(41)は「想像以上の結果です。選手らが頑張ってくれた」とねぎらった。 中でも柘植が4区で驚異的な走りを見せた。全中(9月)で男子3000メートル7位入賞、今大会出場者で3000メートル最速持ちタイム(8分31秒84)の男が、首位と25秒差の5位からスタート。中間の約1・5キロ地点で先頭に出ると、5区・石田快(2年)にタスキを渡す際に2位に30秒差をつける激走。指揮官からの指示通り「いけるところまでいけと言われていたので、最初から全力でいった」と汗を拭った。 仲間の踏ん張りがあってこそ。15位以内で4区のエース柘植にタスキをつなぐレース展開が目標だった。1区の藤田晴亮(3年)が6番手でつなぎ、2区の水島優(3年)で5位に、続く松下嘉人(2年)も順位を維持し、層の厚さを見せた。トップでタスキを受け継いだ最終6区の小泉陽樹(3年)は2つ順位を落とすも3位で踏みとどまった。 柘植にとって細江中の仲間と走るのは最後。中学1年から3年の5月頃まで故障に苦しんでいただけに「神懸かっている一年でした」と締めた。高校は県内強豪校に進学予定。「高校では1年から全国総体に出て、都大路にも出たい」。自信をもってネクストステージに進む。 (伊藤 明日香) 【男子】〈1〉藤(埼玉)57分17秒〈3〉細江(静岡)57分57秒=1区(3キロ)藤田晴亮9分19秒〈6〉、2区(3キロ)水島優9分34秒〈7〉、3区(3キロ)松下嘉人9分44秒〈13〉、4区(3キロ)柘植源太9分7秒〈1〉、5区(3キロ)石田快10分18秒〈20〉、6区(3キロ)小泉陽樹9分55秒〈19〉 女子は2年ぶり2度目の全国舞台で初の入賞。県勢女子では静岡東が2位だった2018年以来の快挙を果たした。立役者の沢田は「素直にうれしい」と声を弾ませた。今秋、浜松市立高から米ルイジアナ州立大に進学した陸上中長距離界のホープ・沢田結弥(18)を姉に持つ将来性抜群のランナーは、3区で15位でタスキを受け取ると、徐々にペースを上げて7人抜き。「抜いた人数は数えていなかった。上位で次にタスキを渡すということだけを考えていた」と表情を緩めた。 次の4区の豊田景渚(1年)が順位を1つ上げ、最終5区の大谷恵以(3年)が順位を1つ落とすも、9位とは3秒差の接戦でフィニッシュ。緊迫の展開だったが、「大谷さんなら絶対やってくれると思っていた」と厚い信頼関係を見せると、「来年もこの大会に出て、2年連続で入賞したい」と意欲を高めた。 【女子】〈1〉京山(岡山)41分18秒〈8〉細江(静岡)43分32秒=1区(3キロ)太田美香10分40秒〈15〉、2区(2キロ)夏目恋李7分16秒〈15〉、3区(2キロ)沢田美紗7分18秒〈4〉、4区(2キロ)豊田景渚7分22秒〈9〉、5区(3キロ)大谷恵以10分56秒〈12〉
報知新聞社