「八村が覚悟を決めたように語りだした…」八村塁の“協会批判”はなぜこのタイミングだった? NBA会見で一体何が「“河村勇輝と再会”から一転…」
“この日はまるで覚悟を決めたかのように語りだした――”。現地11月13日、NBAロサンゼルス・レイカーズの八村塁(26歳)は試合後の会見で日本代表に対する思いを口にした。これまで多くを語ってこなかった八村の発言とあって、大きな議論を呼んでいる。NBA、日本代表を長く取材するジャーナリスト宮地陽子氏にその真意を読み解いてもらった。〈全2回の1回目/後編に続く〉 【変わりすぎ写真】「ガタイが全然ちがうわ…」八村塁18歳当時の豪快ダンク「NBAで活躍するいまと比較」(他100枚超) それは、まるで、八村塁がずっと奥にため込んでいた思いを一気に吐き出したかのようだった。 11月13日(日本時間14日)、ロサンゼルスのクリプトドットコム・アリーナでメンフィス・グリズリーズとロサンゼルス・レイカーズが対戦した試合後の会見での、日本代表に対するコメントのことだ。
奮闘中の河村勇輝を激励
この日、八村塁が所属するレイカーズと、河村勇輝がツーウェイ契約選手として所属しているグリズリーズとの対戦が行われ、多くの日本メディアが取材に来ていた。試合前には八村と河村がセンターコートで記念撮影をし、八村から河村に「いっしょに試合に出たらマッチアップな」という声がかけられ、お互いに笑顔を見せるなど、和やかな雰囲気だった。 試合は白熱した展開となり、レイカーズのスターターとして出場した八村は『グリズリーズ・キラー』の本領発揮とばかりに3ポイントを4本中3本決めて19点をあげたほか、7リバウンド、3アシストをあげ、終盤の競った場面で相手エースのチャージングファウルを取るなど、オールラウンドに勝利に貢献した。八村自身も「ここ何試合か調子悪かったので、ディフェンスとかリバウンドで活躍することも考えながらやっていた。きょうはそこを全部できたのがよかったんじゃないかなと思います」と、自分のプレーに合格点を出していた。 河村は、接戦になったため出番がなかったが、ベンチからNBA選手としての八村のプレーを見て、「次元が違う。日本人の選手とか抜きにNBAの中でもトップクラスの選手なんだと改めて感じました」と感嘆していた。 さて、問題の発言は、試合後の記者会見で飛び出した。 会見の終盤、日本語での質疑応答で「NBAの場で河村と会い、代表でチームメイトだったときの思い出が蘇ったか」を問うものだった。最初に八村から返ってきたコメントは河村を励ます言葉だけだったため、質問した記者が「日本代表の思い出とかは?」と再質問した。マイクがない状態だったこともあり、八村はそれを現在の日本代表について聞かれたと受け止めたようで、代表についての自分の意見を語り始めたのだ。 これまで、八村は代表について聞かれるたびに、心のうちに隠すように当たり障りのないことを言うことが多かったのだが、この日はまるで覚悟を決めたかのように語りだした。ちょうど同じ日に日本ではアジアカップ予選に向けた新代表チームの公開練習が行われたタイミングだったため、日本代表やトム・ホーバスHCに関するニュースを目にして、自分の中で思うところがあったのだろう。会見場という場での意見なら、日本でも映像を見られることをわかっていたのかもしれない。 「僕としてはあまり言いたいことではないんですけれど」と前置きをしたうえで、八村は、日本代表に関する彼なりの意見や思いを話し始めた。少し長いが、まずはその全文を掲載しよう。
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