「八村が覚悟を決めたように語りだした…」八村塁の“協会批判”はなぜこのタイミングだった? NBA会見で一体何が「“河村勇輝と再会”から一転…」
フラストレーションの原因となった壮行試合
ただ、組織や予算規模が大きくなってきたなかで、様々なすれ違いがあったことは確かだ。八村が「金の目的」と話したことのひとつの例として考えられるのは、今年7月、パリ五輪にむけた壮行試合こと。有明アリーナで開催された韓国戦で、試合に出る予定がなかった八村が宣伝に使われており、八村が出場しないことも直前まで発表されなかった。 伝え聞いた話では、八村はオリンピック出場を決めた時点から、オリンピックにピークを持っていくために壮行試合には出場できないと協会側に伝えていたという。しかし、協会が八村の欠場を正式に発表したのは韓国戦1試合目が行われた7月5日当日だった。 しかも、その2日前の壮行イベント後に一度はトム・ホーバスHCが八村と、ふくらはぎ肉離れの渡邊雄太が韓国戦を欠場すると明言したのだが、直後に発言が撤回されるというゴタゴタもあった。もし渡邊が試合に出られる状態なら、八村の欠場ももっと早くに発表できたのかもしれないが、NBA組が2人とも出られなくなってしまい、地上波で放送するテレビ局に気を使って発表をぎりぎりまで保留したかったのではないだろうか。 八村からしてみれば、そのやり方が選手よりテレビやスポンサーを優先している行為に見えたのだろう。オリンピックに照準を合わせて最高のコンディションを作り上げようと努力しているのに、壮行試合の宣伝に使われ、出場しないといけないようなプレッシャーをかけられたと感じたのかもしれない。 八村が指摘したもう1つの問題は代表のコーチ。名前こそ出していないが、現男子代表ヘッドコーチのトム・ホーバスのことを指しているのは間違いないだろう。ホーバスは東京オリンピックで女子代表HCを務め、それまでも長年、女子チームのコーチをしてきた。 (後編につづく) ◆後編ではホーバスHCとの関係を振り返りながら、八村の真意を読み解く。
(「日々是バスケ」宮地陽子 = 文)
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