「住まいの終活ノート」の使い方解説! "負動産化"防ぐ相続の基礎知識や空き家活用法など、国交省・自治体から発信続々。注目は神奈川県や埼玉・越谷市
●工夫点(4)ノートの保管場所が分かるカード ・本人が住まいの終活ノートを作成したにもかかわらず、家族や相続した人がその保管場所を知らないということも起こりうる。裏表紙に、切り取って小さなカードになる保管場所のメモ欄を用意し、お財布などに入れて見つけやすくする工夫をした。 さらに、わが家の終活ノートは、作って終わりではなく何度か改訂を加えている。法改正に対応して加筆修正をしたり、福祉的な側面から認知症に関するコラムを追加したりしている。 さて、住まいの終活ノートについて、いくつか紹介した。ただし、空き家になる可能性が低くても、相続人が困らないように円滑に相続を済ませるためには、不動産に関する正しい情報の提供が必要だ。また、越谷市のノートでは、存命中に家財の整理をしたり、さまざまな書類を整理して保管しておくことの重要性も説明している。 夏休みなどで家族が集まる機会に、住まいの終活ノートの存在を知らせ、話し合うきっかけにしてはどうだろう。実際の見本があれば、具体的に話し合う助けになるはずだ。 ●関連サイト 国土交通省「住まいのエンディングノート」 越谷市「住まいの終活ノート」 神奈川県「空き家にしない『わが家』の終活ノート」
山本 久美子
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