「障害児」に“クビ宣告” 9歳自閉症児の母が直面した厳しい現実 施設が“態度一変”
時には環境を変えることも必要かも
本来であれば、子どもの情緒の安定のためにも、同じ放課後等デイサービスに長く通うことが、親としても、子どもとしても望ましいことだと思います。しかし、先述のように、子どもの成長に伴って、事業所側が対応に苦慮するようになってしまうこともよくあるようです。 放課後等デイサービスには福祉の専門スタッフがいますし、研修などを行っている事業所も多いとは思いますが、今のご時世、どこも人員不足という状況は否めません。 また、放課後等デイサービスは、どこも均一な体制というわけではなく、少人数制の所もあれば、大人数でわいわい過ごす所もあります。 そして、比較的軽度の障害の子どもたちが集まっている所もあれば、重度の障害を持つ子どもたちが中心の所もあるのです。また、年齢層もさまざまで、小学生中心の所もあれば、中高生が多い所もあります。 このような状況を鑑みて、時には子どもの年齢や状態に応じて、放課後等デイサービスの事業所を変えることを検討するのもよいかもしれません。 事業所側から苦慮している状況を伝えられたり、毎日の生活の中で、「ちょっと最近大変になってきたな」と感じたり、あるいは事業所での子どもの様子を見た際に、ちょっとした違和感を覚えたりすることがあったら、事業所の変更を考えるのに良いタイミングである可能性があります。 軽度のお子さんであれば、そろそろ放課後等デイサービスを卒業して、習い事や塾に移行してもいいかもしれません。 勇気が必要ですが、何かしらそのような兆候を感じたときに別の道を模索してみるのも大事なことなのかなと、最近は思うようになりました。
次の所属先が見つかってからやめるのが理想
別の道を模索するとはいっても、放課後等デイサービスはどこも激戦。すぐには空きがないことも多いです。 そのため、「次が見つかってから」やめることが理想的です。事業所側が早めに言ってくれる場合もあります。 一般的に放課後等デイサービスは、次年度の新入生の就学先が決まる10月頃から、新年度の募集や人数調整などで本格的に動き始めることが多いです。もちろん、もっと早くから動けるならそれに越したことはないですが、秋ごろに事業所側が新年度の募集や人数調整などで動き出す時期には、探す側も動いていたいところです。 そして、年明けの1月、2月ごろには、恐らく入れるかどうかが確定することが多いのではないかと思います。中には3月のギリギリのタイミングでようやく入れることが確定する場合もあります。新しい居場所が決まったタイミングで退所の申し出をし、新年度から心機一転、新しい事業所に通い出すのが一番理想的な気がします。 健常児が通う所に無理やりお願いして入れてもらっているわけではなく、「障害児の居場所」とされている福祉サービスの施設に通っているのに、障害を理由に通えなくなるのは何とも悲しく、ショックな出来事です。 しかし、嘆いていても仕方ありません。「そういうこともある」と事実を冷静に受け止め、次の一手を模索していきたいものです。 また、願わくは、このように居場所が急になくなってしまう障害がある子どもたちの存在を世間にもっと知ってもらい、どんな子にも適した居場所が提供されるよう、福祉がより充実していったらありがたく思います。
ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ