夫の夜の誘いを断ったら「バカにしてんのか」と怒鳴られた。不機嫌をまき散らす夫に“妻の決断”は<漫画>
「自分は加害者だと思えない」という人に届けたい
――『99%離婚 モラハラ夫は変わるのか』を手に取る読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。 中川:僕は、この本が「自分はモラハラ・DV加害者だと言われたけれども、そうとは思えない。それでも一応読んでみるか」というような人に届いてほしいなと思っています。この本を読めば、DVというのが身体的・物理的なものにまったく限らないことがはっきりとわかると思います。そして、自分の養育環境や学校や職場では当たり前だったコミュニケーションが暴力と認識される場面があることもはっきりとわかると思います。 大事なのはその時に「このくらい自分にとっては普通で、傷つくようなことじゃないんだから、加害者なんて言われたくない」と思うのではなく「これによって傷つく人がいるんだとしたら、自分は人を傷つけてしまった。自分を傷つけてくる人と一緒に生きていきたい人なんていない。だから、自分が一緒に生きていきたい人に、傷つけるのではなく、ケアできる人間になりたい。そして、それは可能なのだ」ということを知ってほしいと思います。 人は学び変わることができます。失敗することもあります。でも、知識を持った仲間と共に、弱音を吐きながら、愚痴をこぼしながら、支え合いながら、変容を認め合い、励まし合いながら、変わっていくことができます。どうか一人でも多くの人が「自分に変えられる部分がある」と信じ、GADHAや、他のDV加害者向けのプログラムやコミュニティにアクセスされることを、心から願っています。
モラハラ加害者の葛藤と、感情の変化を見届けて
龍:見どころ満載の本書ですが、特に見てほしいのは、モラハラ夫である翔の葛藤、感情の変化のシーンです。妻子が出て行った後の荒れた生活、自暴自棄な姿から、NoMA(編集部注:作中に登場する、モラハラ・DV加害者のための変容支援コミュニティ)という居場所を見つけ、少しずつ自らを振り返って「変わろう」としていく。それはとてつもない苦しみを伴うことです。苦しみながらも翔が自分自身と対峙する様子をぜひ見て頂ければと思います。 【龍たまこ】 3人の子どもを育てるマンガ家。1981年生まれのシングルマザーで、保育士の資格を持つ。ライブドア公式ブログ「新・規格外でもいいじゃない!!-シングルマザーたまことゆかいな子ども達-」をほぼ毎日更新中。著書に『規格外な夫婦~強迫症夫と元うつ病妻の非日常な日常~』(宝島社)、『母親だから当たり前? フツウの母親ってなんですか』(KADOKAWA)。X(旧Twitter):@ryutamako、Instagram:@ryu.tamako2 【中川瑛】 モラハラ・DV加害者変容に取リ組む当事者団体「GADHA」代表。妻との関係の危機から自身の加害性に気づき、ケアを学び変わることで、幸せな関係を築き直した経験から団体を立ち上げる。現在は加害者個人だけではなく、加害的な社会の変容にも取り組んでいる。著書に『孤独になることば、人と生きることば』(扶桑社)、『ハラスメントがおきない職場のつくり方 ケアリング・ワークプレイス入門』(大和書房)。X(旧Twitter):@EiNaka_GADHA <構成/女子SPA!編集部> 【女子SPA!編集部】 大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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