「友だち作りの上手な子」に育つために親にできること
「言わなくてもやってくれる」をやめましょう
家庭以外の場面では、「言わなくてもやってくれる」は、スタンダートではありません。職場ではどうでしょうか。 「これをしてください」「分かりました、いつまでですか?」「いついつまでにお願いします」「承知しました」「終わりました、確認お願いします」「確認しました、ありがとうございます」 少なくとも、これくらいのやり取りは必要です。家族間でこんなやり取りが必要なのか? と思うかもしれません。でも、もし、「言ったのにやってくれない」という不満が続いているのなら、必要なフェーズ(段階)に入っていると判断してください。 「言わなくてもやってくれる」「言わなくても分かってくれる」というのを、家庭のスタンダートにするのは、もうやめましょう。言わなければ伝わらないし、確認しなければどのように理解したのかも分かりません。 そして、明確に伝える、確認する、そして、感謝するという丁寧なやり取りを、新しいスタンダートにしていきましょう。 そのやり取りを見て育った子どもたちは、社会の中で、どんなコミュニケーションを取るでしょうか。丁寧で、確実な仕事をすることに、つながりそうですか? 信頼される人物になりそうですか? 家族を大切にできる人になりそうですか? 家庭でのコミュニケーション、意識して、丁寧に確実にやっていきましょう。やり取りの回数が、関係性をつくっていくと知ってください。
人と関わる体験を楽しむ「ごっこ遊び」
「おままごと」って、昔からある遊びがあります。「お母さん」「お父さん」「子ども」の役割になって、ご飯つくったり、食べたりする遊びです。「お母さん」役が人気で、誰がなるか取り合いでした。子どもにとって「お母さん」という役割が憧れだったわけですね。 ここでは、「役割遊び」をご紹介します。「役割」とは、関係性のことです。役割によってふるまいも言葉も変わります。誰でも「お店の人」になれますし、「お客様」にもなります。お店の人とお客様との関係性を、「レストランごっこ」で体験しましょう。 お店の人(シェフ、ウェイター・ウェイトレス役)とお客役に分かれます。お席を用意します。メニューをつくっておくのもいいですね。お客様は、お店の人が案内してから座ります。 「ご注文は何になさいますか?」 お料理をつくる、運ぶ、テーブルに並べる。 「はいどうぞ、召し上がれ」 この遊びでは、お店の人が主役です。使っている食材やお料理の内容を説明してもらいます。お客様は、シェフに敬意を払いお店の人に感謝して食べるのがルールです。 買ってきたものや宅配してもらったものを食べるときにも、ぜひ「レストランごっこ」をやってみてください。ウェイターさんになって並べるだけでも「役割遊び」です。 子どもたちは「おみせ遊び」のようなごっこ遊びが大好きです。「役割」を考え、段取りを考え、お客様とのやり取りを楽しめるからです。小さいころから、世の中にはいろんな役割があることを体験してほしいですね。