「脱走に噛みつきも」元Jリーガー・永里源気 重度の知的障がいと自閉スペクトラム症を持つ中学2年の長男との現在
湘南ベルマーレなどで活躍した永里源気さんの長男・大和さん(中学校2年生)は、重度の知的障がいと自閉スペクトラム症を持っています。「小5の終わりごろから落ち着いてきて、今は動かずに散髪もできるようになった」と成長に目を細める永里さんですが、以前は弄便や脱走、噛みつきなど、大変なことも多かったと言います。(全3回中の2回) 【写真】「真夏のアスファルトを裸足で脱走」弄便、噛みつきなどに苦労も…成長を遂げた大和さんの現在(全14枚)
■ルーティンが崩れるとストレスが溜まって ── ガイナーレ鳥取在籍中に大和さんの診断が出て、その後、永里さんはタイのクラブチームに移籍、ご家族は鳥取に残って生活をされていました。永里さんの帰国後、神奈川県厚木市に転居されてからの様子について教えてください。
永里さん:タイから帰国して、家族で地元の厚木に住むことになったので、大和は小学校1年生の2月から支援学校に入りました。長女が小学校3年生、次女が幼稚園に入るころでした。大和が環境の変化に順応できるか不安があったんですけど、先生方のおかげで楽しく通えていました。 でも、相変わらずなかなか寝なかったり、夜知らない間に素っ裸になって布団を濡らしていたり、眠れないときに急にパニックになってずっと泣き続けたり、オムツの中に手を入れて、うんちをこねこねして食べたり、壁にペタペタと塗ったり、いろいろなことがありました。パニックのときは落ち着くまで待つ、YouTubeを見せる、素っ裸にならないようにオーバーオールを着せる、うんちのときは黙って片づけるなど、その都度対応していたんですけど、大和はどれだけ睡眠時間が短くても、朝になると起きるんです。今日は寝てないから学校を休んでゆっくりさせたほうがいいかなと考えても、ルーティンを好むという特性があって「学校に行きたい!行きたい!」という様子でした。
── 永里さんのインスタグラムには、「学校に行きたくて、学校に行くときに乗る車に執着中。早く夏休み終わってくれー!!」という文面と共に、自家用車を覗きこむ大和さんの姿がありました。 永里さん:そうなんです。学校がない長期休みの時期が特に大変で。朝起きてご飯を食べて着替えて歯磨きして靴下履いて家を出て学校に行く、というルーティンを毎日ずっとやっているので、長期休みになるとそのルーティンが崩れることがすごくしんどいみたいで。学校とデイサービスと自宅を行き来することが好きなので、この3つが揃っているときは落ち着いて生活できるようになってきていたんですけど、そのぶん、学校がないときは大荒れでした。