日本人選手たちの壮絶な代表権争いの行方は。「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 女子スケートボードパーク種目
【ラン3本目】 パリオリンピック行きの切符を決めるラスト1本はドラマチックな展開に。ベストラン採用のためここで決めれば十分巻き返すチャンスがある中、ほとんどの選手が自身のベストスコアを更新し、そのうち3名は90点台を叩き出す最後まで順位が分からない展開にもつれ込んだ。 まず今回このハイレベルな順位争いの中で、難しい戦いを強いられたのはアメリカのルビー・テルーとフィンランドのヘイリ・シルヴィオ。ルビーは1本目で82.00ptと悪くないスコアを残したものその後はミスが続き得点を伸ばせず大会を終えた。またヘイリもスピード感のあるライディングにハイエアーを見せながら、コーナーでの「バックサイドフィーブルグラインド」や「バックサイド540」をメイクするもラストトリックは入れきれず3本目をベストスコアとするも82.68ptと伸び悩んだ。 一方でここから熱いスコアアップ合戦が始まる。まずは草木がディープエンドでの「バックサイド540」「フロントサイドフィンガーフリップ・リーントゥテールノーズグラブ」そして最後の「バックサイドロックンロールスライド」をしっかりメイクするとスコアを89.60ptまで伸ばし暫定2位へ。 そんな草木を超えた上でパリオリンピック出場権を獲得するにはここでどうしても2位までに入っておきたい長谷川瑞穂は3本目で今大会で一番のパフォーマンスを見せる。「バックサイド360」を皮切りに「キックフリップインディグラブ」「バックサイド540メロングラブ」「フロントサイドリーンエアー to ディザスター」などを決め切り強さを見せると91.58ptと草木を超えて暫定2位に返り咲く。このまま順位を守り切れるのか。 しかしそんなに甘くないのがオリンピック予選大会最終戦。長谷川やアリサのスコアを超えて優勝の座を勝ち取るべくラストランに臨んだのはスカイと開。まずスカイは3本目の最初のトランスファーに「キックフリップインディーグラブ」を取り入れてランをアップデートすると、その後も「アーリーウープバックサイド360」、「バックフリップ」などを2本目で取り入れたトリックの完成度をあげたランを見せ、91.93ptとスコアを伸ばして僅かに長谷川のスコアを上回り暫定2位に。 そして同じくさらなるスコアアップを目指してラストランに挑んだ開は、「キックフリップインディーグラブ」やディープエンドでの「バックサイドノーズグラインド」、「フロントサイドスミスストール」など得意のグラインド系を中心に次々トリックをメイクするとこれもまたスカイに僅か届かない91.83ptをマークして暫定3位に。 この後に出走したライカもアリサもさらにスコアアップはしなかったことから、表彰台はアリサ、スカイ、開の順となった。上海大会同様に今大会でも優勝したアリサの強さを感じる一方で、ラストランは失敗したものの2本目を上回るような勢いのランを見せていたことから、彼女の底知れぬ力を感じた。きっとパリオリンピック本戦でも金メダル争いを見せる中心人物になることは間違いないだろう。
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