日本人選手たちの壮絶な代表権争いの行方は。「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 女子スケートボードパーク種目
大会レポート
【ラン1本目】 おさらいするが、オリンピックルールにて決勝は45秒のラン3本目のうち1本のベストスコアが採用される一方で、一度トリックを失敗した時点でランを続行できなくなる。そのため1本目では後半でより攻めるライディングをするためにもある程度のスコアを残しておくことが定石。そんな中でまず80点台後半の高得点を残したのは草木ひなのだ。 前回の上海大会で決勝進出を逃し悔しい思いをした草木はパリオリンピック出場枠を確保するために見事なライディングを見せる。「バックサイド360」をボックスジャンプでメイクしたことを皮切りにディープエンドでの「バックサイドスミスグラインド」や「バックサイド540」、最後には「バックサイドロックンロールスライド」をメイクしてパーフェクトランを終えると87.53ptをマークし、笑顔で2本目に繋げた。 そんな草木の後に滑走し、今大会の自身ベストスコアを残したのはブラジルのライカ・ベンチュラ。準決勝を2位で通過する見事なパフォーマンスを見せた彼女は、高いエアーで豪快な「フロントサイドノーズボーンミュートグラブ」をメイクすると、「キックフリップインディーグラブ」やボックスジャンプでの「バックサイド360」など高難度トリックを取り入れたスタイルのあるライディングで85.93ptをマークして幸先良いスタートを切った。この後のランではなかなかトリックを決めきれずスコアを伸ばせなかったが、パリオリンピック代表権を獲得する上では十分な成績だった。
【ラン2本目】 1本目では全体的にランを80点台にまとめてきた選手が多く、各々のベーススコアを確立した中で2本目では勝ちにいくために攻めのライディングをするも、やはりプレッシャーとトリックの難易度からミスをする選手が増えた1本となった。 多くの選手がミスするランを横目に、1本目の失敗を覆すべく2本目でしっかり決めきったのはスカイ・ブラウンだ。ラン1本目ではボックスジャンプでの「バックフリップ」でミスし得点を伸ばせないでいたが、2本目では同トリックを見事修正しただけではなく、「マドンナエアー」や「アーリーウープバックサイド360」などを決め切りフルメイクで終えるとベストスコアを86.02ptへ引き上げた。 そしてそんなスカイを超える勢いでベストスコアを伸ばしてきたのはアリサ・テルー。ラン1本目では細かなミスもあり82.60ptを残した彼女は、さらに1本目のトリックの完成度を上げたライディングを2本目で見せる。「バックサイド540」や「マックツイスト」など豪快な高難度トリックをクリーンに決めるのはもちろんのこと、「スイッチバックサイドメロングラブ」や「スイッチフロントサイドエアー」など女子選手ではあまり取り入れられていないスイッチトリックをメイク。そんな高度な技術が詰め込まれたランは93.38ptという今大会最高得点の評価を受け、暫定1位と優勝の大手をかけた。
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