阪神・森下翔太、本塁打量産プラン「このオフのテーマはバックスクリーンにどう力を伝えるか」
バックスクリーン弾習得や!! 全試合4番として国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」に挑んだ阪神・森下翔太外野手(24)が25日、準優勝に終わった大会を振り返り、来季に向けてセンター方向への打力向上を課題に挙げた。侍ジャパンでの悔しさを糧に、3年目の来季はさらにレベルアップを図る。 つかみ切れなかった頂点。初めてトップチームの日本代表に選出されて国際大会に挑んだが、森下の首にかけられたメダルの色は銀色だった。それでも、世界の舞台での敗戦は、さらに上を目指すきっかけをくれた。 「やっぱり悔しいです。もの足りない。オフシーズンでもっとやらないといけないと思った」 井端ジャパンの背番号1は全試合4番で出場し打率・357、1本塁打、9打点、得点王の13得点。大会ベストナインも受賞したが「優勝できていないから何にもならないですけど、選んでもらえたことはうれしい」と笑顔はなかった。 最終決戦で結果が出せず、チームを勝利に導けなかった。決勝では4打数無安打。ひたすらに目指してきた世界一は達成できず、一夜明けても後悔が残る。ただこの大会が、自分の現在地を知る機会になった。 「そもそも力が足りない。打席に入ったときに、長打を打てそうという雰囲気が出ていないと思う。今はプル(引っ張り方向)にしか打てないから、全方向に飛ばせたら」 海外の強打者を見ながら、今後の課題を認識できた。その一つが打球方向。今季、森下が放った打球のうち、左方向への打球は45%を占めた。さらに安打に限れば60%。そして16本の本塁打はすべて中堅より左で、バックスクリーンより右側への放物線はゼロだった。 引っ張って力強い打球を放つことができることは、一つの持ち味。だが、プレミア12の決勝戦で第2、3打席で放った中堅への強い当たりは中飛にとどまり「あれをそのまま(スタンドに)入れないといけない」と唇をかんだ。ただ届かなかったぶんは伸びしろと受け取り、オフシーズンの目標を定めた。 「このオフのテーマはバックスクリーン(方向の打球)にどう力を伝えるか。それができたらシーズンのホームランも増えると思う」
中堅方向に長打を打つことができるパワーと技術を身につければ、今季の16本塁打からの量産も見込める。決勝戦では台湾の2発に沈み、短期決戦での本塁打の重要性も痛感した。侍の4番という大役を経て迎える3年目の来シーズンは、アーチストとしてもさらなる飛躍の1年にする。(中屋友那)