「STAP現象」再現できず「不正疑惑」はいまだ闇の中 科学への信頼回復が不可欠
理化学研究所は19日、STAP細胞作製の「検証実験」の結果について記者会見を都内で開きました。 【画像】理研を退職する小保方晴子研究員のコメント全文 理研では4月1日から1年間を期限として、「刺激による分化細胞の多能性誘導現象」、つまり「STAP現象」が存在するかどうかを検証してきました。この検証計画は、相澤慎一特別顧問が実験統括責任者に、丹羽仁史チームリーダーが研究実施責任者になって始められましたが、7月1日、「本人による検証」が必要ということになり、11月末日を期限として、相澤氏の監督下で小保方晴子研究員も検証計画に参加することになりました。ただし、丹羽氏らの検証実験とは別に、です。 8月27日には、丹羽氏らによる検証実施について中間報告が行われ、論文に書かれているような方法では、STAP細胞と思われるような細胞の出現は認められないとされました。また会見の前日には、小保方氏がSTAP細胞の作製を再現できないことがわかった、という“リーク情報”が報道機関から流れました。
小保方氏も他の研究者も再現できず
会見では、小保方氏自身の実験では、「STAP現象」を裏づける「多能性細胞特異的分子マーカー」を、「自家蛍光」と区別するかたちで確認することができないことが明らかにされました。また、多能性の確認となる「キメラ胚」をつくることもできませんでした。 丹羽氏らは、論文に書かれた方法以外でも検証実験を行ったのですが、再現できませんでした。理研は検証の実施を来年3月まで予定していましたが、このような結果を踏まえ、計画を終了することにしました。 以上はほぼ予想通りだったのですが、会見中、小保方氏から理研を退職するとのコメント文書が紹介されました。 「予想をはるかに超えた制約の中での作業となり、細かな条件を検討できなかった事などが悔やまれますが、与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果に留まってしまったことに大変困惑しております」 コメントを読む限り、彼女はSTAP細胞の存在、もしくはSTAP現象の再現性をまだ信じているようです。不正を認めてもいないでしょう。