自民党総裁選 所見演説会(全文1)石破氏「成し遂げたいのはグレートリセット」
早期収束させるために特措法改正を
併せて守っていかねばならないのは社会なんです。医療か経済。二者択一ではない。守らねばならないのは社会なのであります。だとするならば経済的支援の拡大と強制力を伴った措置の導入と、このことは真剣に検討されてしかるべきであります。感染が収束したら特措法の改正、その立場に私は立ちません。早期に収束させるために特措法の改正、そのために政治は政府だけで行うものではない。議会の知恵をいかに借りるか。それが国民に対して政治が果たすべき責任である。そのように考えます。 災害は忘れる間もなくやってくる、そういう時代です。私は防災省は必要だと、心からそう信じます。日本全国1740市町村、それぞれで防災の体制が違っていいんですか。同じようなスキルを持たねばならないのではないですか。知識は伝承され、継承されねばならんのであって、優秀な人たちが各省庁からやってくる、2年たったら帰る、どうして蓄積と伝承ができるんですか。どうして教育が普及するんですか。どこにあっても同じ体制、そして24時間365日防災を考える、そういうような部署は縦割りを廃して、日本国のために絶対に必要なものである。私はそのように固く信ずるものであります。 地方創生大臣を2年務めました。食糧をつくり、エネルギーをつくり、出生率の高い地方が滅んで、政治であり、金融であり、経済であり、文化であり、メディアであり、その中心の東京ではありますが、食糧をつくらずエネルギーをつくらず、出生率は全国最低。そこに人が集まる、物が集まる、金が集まる。そういう日本国は持続可能なものなのですか。
なんで政党の役割が憲法に記されていないのか
私は地方に雇用と所得、そのことは絶対に必要だと思います。おかしくないですか。鉄道が発達し、道路が発達し、航空路が発達し、情報網が発達すればするほど東京一極集中はなぜ進むのですか。国がそういう仕組みになっているからです。明治維新後、わずか50年で日本は世界の強国になった。敗戦後わずか20年でGNPは世界第2位になった、そのために東京一極集中は人為的に行われたものであります。 ふるさとは志を果たして帰るものではない。志を果たしにふるさとに帰る。東京の負荷を減らしていかねばなりません。東京の集中の利益を、限界を超えたとするならば、首都直下地震、少子高齢化、東京の持っている負担をいかにして減らすか。地方にいかにして雇用と所得をもたらすか。地方創生に私はもう一度、全身全霊で取り組み、新しい日本をつくってまいります。 憲法について申し上げます。どうか平成24年、党議決定をした自民党憲法改正草案、もう一度みんなで読もうではありませんか、起草委員の1人として携わりました。なんで政党の役割が憲法に記されていないのですか。わが自由民主党は日本国の中心として日々努力をしてきた。政党は権力による弾圧があってはならない。最大限の自由が保障されなければならない。しかし国民から政党助成金をいただいている。そうであるならば党の金をどのように使ったのか。政党の意思はいかに決せられるべきか。そのようなことを国民にきちんと示す。権利だけ享受する主体というのはあり得ません。政党法の制定が必要であります。 合区の解消、参議院選挙は間違いなく再来年にはやってくる。鳥取、島根、高知、徳島。合区の厳しさ、苦しさ、これを解消するために憲法改正が必要である。そうしなければ地方はどうなるんですか。地方に厚く、そういうことを申し上げているのではない。合区の解消、そのためにこの時限性のある課題には取り組むべきだ。 最高裁判所裁判官、総選挙の際に誰がその名前を知っている。この仕組みで本当に三権分立は成り立つのか。その仕組みは法律で定めていかねばなりません。自衛隊は国の独立を守るためのものです。そしてその行動は全て国際法にのっとってやるべきものです。相手は外国の国家主権ですから。国際法にのっとって行動するのは当然だ。その国において最強の組織であればこそ司法、立法、行政による厳格な統制は必要である。当たり前のことであります。憲法改正が国民が決めるものである以上、わが党は先頭に立って議論を深め、一刻も早く憲法改正に取り組むべきものであります。