大学受験シーズン 「お先にサクラサク」ってズルくない? 指定校推薦めぐり受験生ママの心にさざ波
冷静なはずの私もブチ切れた!
Sさんとの一件があり、発言に気をつけるよう意識し始めたYさんでしたが、今度は自分が感情を抑えられない瞬間に直面します。 指定校推薦をとったOさんですが、実はYさんの娘さんと同じ国立大学を目指していました。夏休みも一緒に塾に通い、切磋琢磨してきたはずなのに…「Oさんは急に志望校を私立大学に変えて、指定校推薦を取るなんて。Oさんママも何も教えてくれなかった」。いつの間にそんなことを考えていたのか、内心裏切られたような、複雑な気持ちになっていました。 久々にOさんママと出会ったときのこと。受験のストレスから解放されて気持ちが軽くなっていたのか、Oさんのママは何気なくこんなセリフを投げかけてきました。 「大丈夫!Yさんの娘さんなら、第一志望に絶対合格するよ!!」 その言葉は純粋に励ましのつもりなのだとは分かっていましたが、まだ娘の成績も安定せず、このまま国立受験に突き進むか、目標を変えるべきなのか、進路が決まらない不安に押しつぶされそうな日々を過ごすYさんには重たく響きました。思わず「そんなこと、気安く言わないで!」と強く言い返してしまいました。 びっくりした顔のOさんのママ。その様子に我に返り、強い言葉で言い返してしまったことにYさん自身驚いてしまったそうです。 そんなOさんママですが、今度は、「大学に入ったら運動部に入らないと、就職に不利になるらしいわよ」「ゼミは何が人気なのかな?留学はどうしよう?Oはちゃんと考えてるのか心配だわ」などと言い出す始末。 まだうちの娘は受験すら終わっていないのに、もう就職の話!?と、正直心の中で突っ込まずにはいられませんでした。
受験期…保護者たちのリアルなストレス
受験期の親たちは、常に見えないストレスと戦っています。どんなに表面を取り繕っても、内心では「合格するだろうか」「この方法で間違っていないだろうか」と自問自答を繰り返す日々。そして自分だけの頑張りではどうにもならない現実があります。 同級生の合格のニュースは、喜ばしいはずなのに、心の底からお祝いできない複雑な気持ちです。お互いに追い詰められた状況の中、少しでも心の余裕を持ちたいものです。結局のところ、ママ友同士の会話も、ストレスを軽減するための「気遣いの技術」が試される場なのかもしれませんね。 ◇ ◇ 受験生の保護者同士で受験に関しての失言エピソードはありますか? ▼40代・高校受験 ある時、塾の面談で一緒だった保護者の方が『うちの子、毎日0時すぎまで勉強してるから』と話していて、思わず『それってやらせ過ぎじゃないですか?』と口に出してしまいました。その瞬間、相手がピリッとした雰囲気になってしまい、後で考えると余計なことを言ってしまったと反省しました。 ▼40代・高校受験 学校説明会の帰り道で、仲良しの保護者と話していた時、『この学校、うちの子にはすべり止めになるかな』と言ったら、相手の子がその学校を第一志望校にしていることを知らず、相手は苦笑い。後で気まずくて謝りたくても謝れず、モヤモヤが残ってしまいました。 ▼50代・大学受験 ママ友に『息子さん、この学校いいんじゃない?校風がいいよね』と言ったらもっと上位の国立校を目指していたことを後々知った…沈黙が流れて、場が一気に冷え込んでしまいました。子どもの成績も知らずに、うかつに学校を勧めるべきじゃないなと思いました。 ▼40代・高校受験 大学付属の高校の話をしている時に、私が「でも、A高校に行くと大学がA大学ってことになるもんね。もう少し上がいいよね」というと、話していたママ友の出身がA大学とわかり冷や汗。あとからフォローしましたが、きっとフォローになってないですね。 (まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)
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