はやぶさ2、リュウグウの着地点候補(全文1)赤道上のL08をまず狙いたい
着地候補地点について
津田:皆さん、お集まりいただきどうもありがとうございます。「はやぶさ2」プロジェクトマネージャの津田です。セクション2の部分から、私からご説明いたします。まず、この着地点選定というのは、13ページですけれども、先週8月17日に国内および国際メンバー、合計109人が相模原に集まりまして、1日議論を行いました。109人の内訳ですけれども、外国人の方々が39人、そのうち宇宙機関ですね、DLR、CNES、NASAがそれぞれ14人、2人、2人というふうに参加していただいております。 これは1日の会議だったんですけれども、ここに至るまでに本格的にこの着地点選定という意味で作業を始めたのは2年前でして、訓練をして、その訓練の結果から、リュウグウ到着後は、およそ1カ月半で着地点を決めなければいけない。この新しい天体に対してこれだけ早くやらなきゃいけないということで準備を重ねてきましたが、おかげさまでこの1日で結論に到達することができました。 これは非常に私自身、これ自分でやってみて非常に驚いてまして、ここに来ていただいているDLRのプロマネのTra-Miさん、それからCNESのプロマネのAurelieさんはじめ、それからDLR、CNES、NASAの宇宙機関の方々、この方々と綿密に作戦を打ち合わせてこの会議に臨んで、そこでの議論の結果、いい結論が得られたということで、この場をお借りしてこの海外の方々にも感謝を申し上げたいと思います。スムーズと言いましたが、この議論自体、本当は午後4時で終わるはずだったのが、ちょっと白熱しまして午後7時まで掛かりました。7時に結論が出ました。 14、15ページにまいります。最初に結論を申し上げたいと思います。ちょっとこれ、画面を使って説明したいと思います。これがその17日に決まりました着地候補地点の全容になります。これ、いわゆるメルカトル図法で、先ほど久保田のほうから説明した北が上の図になっています。展開図になって、この画面そのものは「はやぶさ2」が撮った画像を貼り合わせて作ったモザイク画像になっています。この中で、まずタッチダウンっていうのは「はやぶさ2」本体が着陸する候補地点です。われわれ、最初はたくさん候補地点を挙げていたんですけれども、その中、その記号でL08と呼んでいるエリア、ここをまず狙いたいと思います。それがちょうど赤道上ですね。の、このL08と書いてある、これ、100メートル四方のエリアです。 ただし、あとから詳しく申し上げますが、ここにまだ完全確定するのはリハーサルを経てからだというふうに考えております。その意味でバックアップとして、もう2つエリアを選んでまして、L07、M04という、2つのエリアを選んでます。L07はすぐ隣のエリアです。で、M04というのは中緯度ですね。少し南に下がったところになってます。当初、バックアップは1つしか選ぶつもりはなかったんですが、あとから述べる事情、結局リュウグウが岩だらけというところから今、バックアップは2つ選んでおります。 次にMASCOTですけれども、MASCOTについてはこのMA-9というエリアを選んでおります。これは南半球ですね。MASCOTは「はやぶさ2」から分離されたあと、バウンドして最終着地点に到達しますので、少し広めのエリアを取っています。 で、MINERVAについては、このN6という、今度は北半球のエリアになります。ミネルバも同様にバウンドしますんで少し広いエリアを取っておりますが、この、8月17日の会議のときの1つの技術的な観点は、このランディングサイト、MASCOT、MINERVA、それから本体がお互いに干渉しないように、ローバーの上に着陸するわけにいきませんので、そういうことがないように場所の住み分けをして、かつ科学的にそれぞれが意味がある場所という意味で、こういうふうに選びました。次のページ。 これは同じ候補地点を指し示す図ですが、今度はもう少し分かりやすい、ライブ撮影の近接画像を使ってご説明します。まずタッチダウンについては、これは赤道エリアですね。メインがL08というエリア。そのすぐ横にL07というエリアがあります。それからそこから少し南に下がったところにM04とあります。ちなみにLとかMっていうのは、Lが低緯度、Lowという意味ですね。MはMiddle、中緯度の意味でMというふうに名付けています。MASCOTについては南半球のこのエリアになります。で、MINERVA-II-1については北半球の、これとは位相が違うところですけども、このエリアになりますということです。