春競馬の総決算!「荒れる宝塚記念」となる条件は揃ったか?
その後は宝塚記念に狙いを定めての調整。1週前の追い切りに騎乗したクルストフ・ルメール騎手は、「フットワークが大きくてスピードも速い。体も大きくなり、気持ちの面でもリラックスして大人になった」と乗り心地を絶賛。高級車にたとえ「男馬らしくパワーが凄い。まるでベンツのAMGだね」と笑顔を浮かべたものだ。 6戦5勝と得意の右回り。自身が騎乗した場合は3戦全勝とあって「この馬のポテンシャルをすべて出し切れる」と豪語した。一方で阪神2200メートル戦には「ポジショニングが大事。あのテイエムオペラオーでも負けた」と気を引き締め、ライバルとして昨年12月に香港に遠征して勝ってきたグローリーヴェイズ、牡馬相手の大阪杯でワンツーを決めた5歳ラッキーライラック、昨年の宝塚記念2着馬のキセキの3頭を挙げている。一流騎手の読みだけに気になるところだ。 もっとも、すべて良馬場が前提の話。3歳2勝クラスの2000メートル戦で1分58秒9の時計が出た土曜阪神のような馬場なら本命サイドの決着もありだっただろうが、梅雨時期らしく日曜日の天気予報は、「雨のち晴れ」となっている。朝方に降る雨は、午前中には上がり、レースの頃には晴天になると予想されているが、降水確率は70~90%と高く、パンパンの良馬場でのレースは、まず望めそうにない。 馬場の影響を受け、「荒れる宝塚」の本領発揮となる可能性がある。1番人気のサートゥルナーリアはこれまで9走して、道悪の経験はゼロ。パワフルな走法から力のいる馬場も問題ないとみられているが、角居勝彦調教師は「道悪はやってみないと分からない」と楽観視はしていなかった。もうひとつ気になるのは馬体が完成され、筋肉質になっているところだ。 「(父の)ロードカナロア(の特徴)が出て来たのか、馬の形が変わってきた」と、トレーナー。これ自体は歓迎されるべき点だが、父ロードカナロアは豊富なスピードが持ち味だっただけに、道悪での消耗戦になった場合、2200メートルの距離が微妙に影響するかもしれない。また気性に難がありレース間隔を空けているという事情もある。