「逆スクワット」1日30秒で全身が若返る、“筋肉ドクター”考案の下半身トレーニング
「スクワットはキング・オブ・エクササイズといわれ、太ももやお尻などの大きな筋肉をまとめて鍛えられる効率のいい筋トレです」 【逆スクワットのやり方】1回30秒きっかり、1日に何回やってもOK!
ペースも回数もお任せ!30秒の逆スクワット
そう話すのは整形外科専門医の吉原潔先生だ。手っ取り早く運動不足を解消しようと、室内で手軽にできるスクワットに手を出したことがある人も少なくないだろう。 ただ問題は、「キツイ」「ひざが痛い」などの理由で長続きせずに挫折してしまうことではないだろうか。 そんなあなたにおすすめのメソッドが、吉原先生が考案した「しゃがんで立つだけ30秒」筋トレ。 これは従来のスクワットのように、直立した状態から腰を落として再度立ち上がるというものではなく、しゃがんだところからスタートして立ち上がるという“逆スクワット”スタイル。 「一般的なスクワットは、ひざがつま先より前に出ないように指導されたり、背筋を伸ばしたまま腰を落としたりなど、フォームややり方に縛りがあって難しいのですが、逆スクワットは、普段の生活で行っている動作なのでさほど悩むこともなく、まっすぐに立ち上がれば自然に正しい方法になります」(吉原先生、以下同) イメージは和式トイレでしゃがんで立ち上がる感覚だという。しゃがんだ状態から立ち上がるので可動域(上下動の幅)が広く取れるため、筋肉への負荷が大きくなり効果もよりアップする。 「和式トイレや、畳に布団を敷いて寝るような日本古来の生活様式がなくなってきたことで上、下動をする機会が減っているんですね。この筋トレは、そうして使わなくなった下半身の筋肉を意識的に鍛えるのに有効です」 ポイントは“しっかり深くしゃがむ”、“まっすぐ立ち上がる”これさえ守ればOK。
体形はいわば運動と食事の通信簿
30秒以上はやらなくていいというのも、今まで運動習慣が身につかなかった人にとってはうれしい。 「回数をこなすことや長くやることを目標にすると、キツくなってフォームが崩れやすくなり、効果が薄れたり身体を痛めたりする原因になります。むしろ、30秒間、自分のペースで猫背にならないように意識してやるほうがひざや足首への負担が少なく、筋肉への効果は高まります」 30秒やってみて、もし余力があったら休憩を挟んでもう30秒やってみる。この積み重ねが大事、と吉原先生。 「最初の敷居を低くすることで続けやすくなり、ムリなく習慣化していきます。1日30秒であれば2~3週間で習慣化していきます。すると、知らないうちに筋力がついて身体も変わっていきます」 スッと楽に立てるようになったり、ひざの痛みの緩和にもつながる。 「ひざや腰などに痛みがあるからと運動をしないと、筋肉はどんどん落ちてしまい症状の悪化を招きます。変形性膝関節症などは、大腿内側広筋という太ももの筋肉の一部を鍛えることで、痛み止めの薬を飲んだのと同じ効果が表れることがわかっています。 痛みのある方は、ひざへの負担の少ないイススクワットを試してみるのがおすすめです」 特に今回は、運動不足や筋力の少ない読者でもムリなく安全にできるやり方を紹介。毎日続けることで、基礎体力が高まり見た目も健康的に引き締まっていく。 「体形は、今まで運動や食事改善をどれだけやってきたかという通信簿です。通信簿の数字を良くしたいなら、生活を変えないとダメ。その第一歩としてまず、30秒から筋トレを始めてみませんか」