自民総裁選で注目された選択的夫婦別姓制度が公約で後回しになる理由 ジェンダー平等は争点化されにくい?各党の主張を読むポイントを聞く【衆院選2024】
また興味を持った政策の一つが、子宮頸がんワクチンの接種の機会を逃した世代への救済措置です。男性は現在、任意接種のため、受けようとすると値段が高い。女性だけの問題ではないことに目を向けてほしいです。 ジェンダー政策というと、今でも「女性のため」で、「優遇」と捉える人もいます。普段から交流サイト(SNS)を利用しているのですが、ジェンダーを巡る問題を攻撃する誹謗中傷が気になります。「男は強くないといけない」というジェンダー規範は根強く、そうしたことが背景にあり、無意識のうちに生きづらさを抱えて他者を攻撃してしまう人もいるかもしれません。そうしたことを理解する議員が増えていくと、政策にも反映されるのではないでしょうか。 今回のジェンダー関連の公約を見ると、女性活躍という点ではほとんどの党が一致しているのかと思いました。ただ同時に文章だけだと本気度が見えにくく、有権者がこれだけで判断するのは難しいとも思います。選択的夫婦別姓制度の是非に違いはありますが、党名を隠してどこの政党かクイズを出したら、答えるのは結構難しいのではないでしょうか。
誰に投票するかを考える時に、直接気になる候補者の演説を聞きに行くのが良いと思います。直接見ると、人間性が垣間見えることもありますし。どんな人が支援しているのか、あるいは演説後に聴衆と対話しているか。当選後にもきちんと話に耳を傾けてくれそうかが分かります。百聞は一見にしかずです。 × × × なかむら・まさひろ 2002年東京生まれ。高校で、髪の色への理不尽な指導を目撃したのをきっかけに、ドキュメンタリー映画「北園現代史」を監督。校則問題をテーマに活動するNPO法人「School Liberty Network」共同代表。