32歳、不妊治療と仕事の両立に行き詰まり退職を決意。子育てしながら、不妊カウンセラーを目指して
「不妊カウンセラー」として、妊活や不妊治療に悩む人たちをサポートしている笛吹和代さん。自身も、30代のときに不妊治療を経験し、仕事との両立に苦しんだ経験から、「不妊治療と仕事の両立が可能な社会を作りたい」という思いで活動をしているそう。そんな笛吹さんに、2回にわたってインタビュー。前編は、仕事をしながらの不妊治療で大変だったことや退職をしたときの心境などを教えてもらいました。 【画像】排卵とセックス、年齢別の妊娠率について
結婚当初は、妊活を始めたら、すぐ妊娠できるものだと思っていた
――笛吹さん自身が不妊治療と仕事の両立で悩んだことが、「不妊カウンセラー」という仕事を選ぶきかっけになったそうですね。不妊治療を始めるまでの経緯を教えてください。 笛吹さん(以下敬称略) 私は29歳の直前で結婚し、当時は化粧品メーカーで工場の技術職として働いていました。臨床検査技師として医療の現場や製薬会社で働いていた経験を生かして、新製品の立ち上げに携わっていたので、研究も開発・製造もなんでもやるという感じ。 結婚したときはまだ20代だったこともあり、避妊するのをやめたら、すぐに赤ちゃんを授かれるものだと思っていたため、妊活についてはあせっていませんでした。仕事も忙しく充実していたときでもあったので、結婚してしばらくたってから、仕事を優先しつつなんとなく妊活を始めました。 でも、1年たっても妊娠しなかったんです。「20代では避妊をやめると1年で約8割が妊娠をする」というデータを見たことがあったので、そのときに初めて「あれ、もしかして、私、妊娠しづらいのかな…」と心配に。 そこから初めて排卵検査薬を使って排卵を確認し、排卵のタイミングに合わせて本格的に妊活を開始。半年後に1度妊娠したのですが、流産してしまったんです。 流産のあとも、もう少し自分で頑張ってみようと思って、妊活を続けていましたが、過多月経のような症状が強くなってきて…。生理の日は朝起き上がれないほど体がしんどくなって、血圧が下がって、顔色も悪くなってしまい…。もともと生理周期が短いことも気がかりだったので、それも妊娠しづらい原因になっているのかな…と思って、不安を解消するためにも不妊治療のクリニックに通うことにしました。