4戦3勝、”復活”を確信したメルセデスF1。目標も「両選手権でトップ3」に上方修正
F1が夏休みに入る前の数戦を見る限り、メルセデスは2022年以降の苦戦から脱却し、さらに勝利を重ねる可能性がありそうだ。こうした状況を受けてトト・ウルフ代表は、チームの目標を上方修正したようだ。 【ギャラリー】F1史上最も醜い、2014年のF1マシン全車 夏休み前の4戦でルイス・ハミルトンが2勝、ジョージ・ラッセルが1勝と大きく躍進している感のあるメルセデス。現状、コンストラクターズランキングではフェラーリに79ポイント差の4番手、ドライバーズランキングではハミルトンの6番手が最上位となっているが、ウルフ代表は両選手権でトップ3を狙えると考えているようだ。 「残り10レースで何が起こるかについて言及するのは難しい」 そうウルフ代表は語った。 「トップ4チームは接近している。それは良いことだ。それがこのスポーツを信じられないほどエキサイティングにしているのだからね」 「我々はより多くの勝利を目指し、両選手権でトップ3を目指すためにハードにプッシュし続ける」 とはいえ、ランキング3番手のフェラーリとの差は前述のように小さくはなく、ハミルトンもランキング5番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)と27ポイント差だ。 シーズン序盤、マシンの方向性をまだ模索していた頃のメルセデスには、こうした目標の達成はほとんど不可能に思えただろう。 「シーズン序盤は難しいスタートだった」と、ウルフ代表は認めた。 「冬の目標はW14の根本的な問題を解決することだった。それには成功したが、新たな問題にもぶつかった。我々は問題の原因と思われる多くのモノを取り除いた。だから残されたモノはそれほど多くはなかった。チームは問題解決に懸命に取り組んだ。前進するにつれて、自分たちが間違っていたことに気づいた。それ以来、我々は確かな前進を遂げることができたんだ」 ウルフ代表によると、その最初の例が中国GPだったという。その週末、スプリントレースでハミルトンが2位となっている。 「あれは力強いパフォーマンスだったし、W15のポテンシャルを示す良い兆候だった。心強かった」 そうウルフ代表は振り返り、ヨーロッパ・ラウンドに入ってからそのポジティブな兆候はさらに強まったという。 「バーチャルの世界、つまりシミュレータや風洞と、サーキットでの実走行との間に本当の相関関係が見られるようになった。それは安堵感をもたらしたと同時に、やる気を起こさせるものだった」 「サーキットで達成すべきパフォーマンスもわかっていたし、ファクトリーは、これを可能な限り迅速かつ効率的に達成するために、信じられないほど懸命に働いてくれた」 そうした前兆もあって、カナダGPでラッセルがポールポジションを獲得したことに、ウルフ代表は驚かなかったという。 「多くのセッションでポジティブな兆しが見え始めた。コースがまだ汚れている金曜日だけでなくね。それが結果的に好転につながった。過去4戦で3勝しているのがその証拠だ。ブラックリーとブリックスワースの全員がハードワークと献身を重ねた結果だ」 ウルフ代表は、夏休み後のシーズン後半戦が前半の14レースとは異なるものになることも分かっている。 「序盤戦とは違って、今は毎週良いポイントを獲れるマシンがある」と、ウルフ代表は話す。 「また、それを可能にする2人のトップドライバーもいる。毎週末優勝を狙うにはもっと努力が必要だが、我々は良いステップを踏み出し、上位で戦えるマシンを手に入れたんだ」
Laurens Stade