【KEIRINグランプリ】北井佑季はなぜ先行できなかったのか GPを3度制した山田裕仁氏が語る“一発勝負で勝つために不可欠なもの”とは
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが静岡競輪場で開催された「KEIRINグランプリ2024」を振り返ります。 2024年12月30日(日)静岡11R KEIRINグランプリ2024(GP)S級グランプリ 左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①古性優作(100期=大阪・33歳) ②平原康多(87期=埼玉・42歳) ③郡司浩平(99期=神奈川・34歳) ④眞杉匠(113期=栃木・25歳) ⑤岩本俊介(94期=千葉・40歳) ⑥清水裕友(105期=山口・30歳) ⑦北井佑季(119期=神奈川・34歳) ⑧新山響平(107期=青森・31歳) ⑨脇本雄太(94期=福井・35歳) 【初手・並び】 ←④②(関東)⑨①(近畿)⑥(単騎)⑦③⑤(南関東)⑧(単騎) 【結果】 1着 ①古性優作 2着 ⑥清水裕友 3着 ⑨脇本雄太
“キーパーソン”北井のデキは?
さあ、今年もついにこの日がやってきました。1年間のまさに「総決算」である、KEIRINグランプリ2024。今年は静岡競輪場を舞台に、優勝賞金1億3300万円をめぐる死闘が繰り広げられます。この舞台に立つこと、そして勝つことは、すべての競輪選手にとっての“夢”といっても過言ではない。そして、すべての競輪ファンが期待に胸を高鳴らせながら待ち続けていた瞬間でもあります。 並びが記者会見で発表されることや、前日に公開練習が行われることなど、グランプリは本当に特殊なレースですよね。一発勝負であるため、選手の「デキ」を実際の走りから判断できないというのも、予想が難解である理由のひとつです。当然ながら出場選手は、ここを目標に身体をつくってきているわけですが、本当にどうなのかはわからない。そういう意味で注目を集めたのが、北井佑季選手(119期=神奈川・34歳)でしょう。 ケタ違いの努力によって、遅咲きデビューからわずか3年でGIタイトルを獲得。今年のグランプリ出場権を手にしたわけですが、それ以降は成績がふるわず、悪戦苦闘の日々が続いています。前場所の大垣記念でも、その走りは精彩を欠いていました。ここまで急激に調子を落とした背景に何があるのかはわかりませんが…いい頃の北井選手にはほど遠い状態であったのは、間違いないでしょう。 それだけに、「北井選手のデキが果たしてどれほどのものなのか?」という点に注目が集まりました。北井選手はレース前に「最高の仕上がり」とコメントしており、以前のように強気かつ積極的なレースができるならば、地元である南関東勢有利の展開になりそう。また、デキが本物でなくとも、このメンバー構成だと北井選手の主導権が濃厚でもある。展開を決めるキーパーソンは、間違いなく彼だったわけです。