「ブラック企業は排除されても、管理職はブラックに働いている」Z世代の新卒社会人から見た管理職の姿
■ブラック企業は消えたように見えるだけ 田川:入社前と入社後のギャップで言ったら、そこが一番大きなギャップかもしれません。世の中的にはブラック企業を排除する風潮はありますけど、実際に働いている人は余裕で定時を超えて働いていて。ブラックってなくなったわけじゃなかったんだなって。 舟津:あ、そうなんですよ。これもよくある話で、管理職は雇っている側扱いなので、労働組合に加入できない(しない)ケースもあります。「罰ゲーム化する管理職」の背景には、組合員の部下は守るけど、管理職は働かせ放題だ、という慣習があるとも思います。さまざまな意味で誤りを含む慣習だと思いますが。
田川さんのいい表現だなって思ったのは、いかにも世の中からブラック企業は消えましたよ、みたいな顔をしつつ、無茶している人はいるじゃないかと。しかも、それはまさに管理職じゃないかということに、4月から働いている人が薄々気づいてしまっている。これがまさに「Z世代化する社会」の背景だなと思いますね。 では、次回はSNSと友だちとの付き合い方について伺っていけたらと思います。 (10月3日公開の第2回に続く)
舟津 昌平 :経営学者、東京大学大学院経済学研究科講師