「ブラック企業は排除されても、管理職はブラックに働いている」Z世代の新卒社会人から見た管理職の姿
舟津:なるほどね。話を聞いている限りは、保護者さんが介入しているのがポイントのように思います。鳥羽さんとの対談でも出た話で、はっきり言って子どもってすごく動物的なんですよね。好き放題するので、旧来的には動物的な対応で解決していた。つまり、教育現場の先生って、あえて子どもと同じレベルに落として、子どもの対応で接するのが最善だったんですよ。動物的な子どもたちに対して100%の大人の対応をするのって、おそらく無理なので。でも、保護者さんが間に入ると、子どもに対して大人のコミュニケーションしか取れなくなってしまう。そうなると、必然的にみなさんのお話のような変化が起きますね。
それで、今のお話につなげて深掘りたいのですが、みなさん管理職になりたいと思いますか。いまや「罰ゲーム化する管理職」と言われることもありますが、上司や先輩を見てどう感じていますか。 ■「罰ゲーム化する管理職」に思うこと 田川:管理職なりてえ、とは思わないですね(笑)。やっぱり、われわれよりも怒られない環境で育ってきた子たちをまとめるのは苦労するだろうなと思います。それに、管理職の方たちを見ていると夜の11時とかでも平気でメールが返ってくるので、大変だろうなと。
舟津:たしかに、それは社会人あるあるかもしれないね。すごい時間にメールが返ってくることありますから。崎山さんは、どうですか。 崎山:本心はちょっとやってみたい気持ちはあります。上司を見ていると、人の面倒を見たり、タスクを管理したり、全体を俯瞰して見る力がすごくあって、そこがかっこいいなと思います。だから、挑戦してみたいなという気持ちが半分。もう半分はやっぱり大変そうだなとも思って、そこには葛藤がありますね。
舟津:管理職へのネガティブな印象として、「大変そう」が上位にくるんですね。 崎山:そうですね。上と下の板挟みみたいな。 木下:私も管理職になるのは嫌だなと思いますけど、一番の理由は責任を負いたくないからですね。それこそ机を蹴ったら一発退場じゃないですけど、管理職の責任が大きすぎるように思っています。できれば、陰で働くのがいいです。 舟津:なるほど。でも、責任は大事なワードですね。全体的な時代の流れとしては「責任を負いたくない」っていう人は増えている気がしていて。その理由の1つはおっしゃるように、責任が大きすぎる。正確には、責任に対して対価が見合ってないんですよね。だったら、陰がいいっていうのは自然な発想に思います。