「ブラック企業は排除されても、管理職はブラックに働いている」Z世代の新卒社会人から見た管理職の姿
逆にみなさんの中で、これは完全にハラスメントだとか、ラインを超えていると思うようなことってありましたか。 ■自分たちより怒られていない世代への恐怖 田川:質問への正確な答えではないんですけど、「これがラインを超えた扱いになるのか」とびっくりしたことがありました。高校1年生の弟が通っている学校で、居眠りしている生徒の机を先生が蹴ったそうです。それがすごく問題になって、親からも先生にクレームの電話が入ったそうで。正直僕としては、そんなことで騒ぐか、と思ったんですが、弟も「ありえなくない?」という言い方で、すごくギャップを感じました。
舟津:そうか。新社会人の田川さんと高1の弟さんの間にすら、もうギャップがあるんですね。 田川:全然違うと思いますね。 舟津:私も本の中で、怒られない社会になると怒られることへの耐性がなくなってしまうということを書いたんですが、それがますます進んでいる印象を受けますね。木下さんはいかがですか。 木下:私もハラスメントの場面を目撃したことはないんですけど、田川さんと同じように「それで大騒ぎになるの!?」ってびっくりしたことがあって。
中学生時代の話で、私にとって当時所属していたバスケ部の先生はすごく厳しい人で。作戦板を投げたりすることもありました。ただ、私が卒業してから数年後になぜか坊主にしてるっていう噂が流れて、なんでだろうと思ったら、親から「厳しすぎる」と言われて、反省の意を示すために坊主にしたそうです。私が言うのもなんですけど、そんな環境で大人になったらどうなっちゃうのかなって思っちゃいますね。 田川:そんな子たちが部下として入ってきたら、難しくないですか(笑)。
木下:たしかにそうですね(笑)。 田川:僕ら世代を部下に持つ今の上司も難しいだろうなって思いますが、それ以上にその子たちの先輩になったときにはもっと難しいんだろうなって思いますね。 舟津:それいい目線ですね。早くも自分が上司や先輩になったときに、怖いなと実はZ世代も思っていると(皆、笑)。崎山さんはいかがですか。 崎山:そうですね。僕は今の会社でハラスメントは一切ないです。最後にハラスメントとされるものを見たとしたら、10年前の野球部に所属していた中学時代のことで。当時の顧問はやっぱり厳しかったので、ミスすると胸ぐらを掴んだり、手が出るって場面もありました。でも、今もたまに中学校のグラウンドを見に行くことがありますが、今は全然そんなことなさそうですね。少なくとも自分たちと同じ指導はされてないとは思います。