「ブラック企業は排除されても、管理職はブラックに働いている」Z世代の新卒社会人から見た管理職の姿
舟津:たしかにそれって、いわゆる始末書であったり、ものすごく怒られそうなことかもしれないけど、怒られないと。かなり気を遣われていることを示す事例ではありますね。崎山さんはいかがですか。 崎山:そうですね。僕も気を遣われているというか、警戒されているのはすごく感じます。たとえば、研修期間中は日報を書く必要があって、チューターからフィードバックがあるんですが、「この言い回し、きつくないかな?」と聞かれたんです。
あと、部長と話す機会があって、「本当は飲みに誘いたい。でも、今の時代は言えないから誘ってほしい」と言われました。僕としては、誘われることは嬉しいんですが、かなり警戒されているなとは思います。 木下:私もめちゃくちゃ気を遣われていると思います。私は本当に仕事ができなくて困っているんですけど、「しょうがないね」で済んでいるというか、全然怒られないです。ただ、私は打たれ弱い部分があると思っているので、いざ怒られると、嫌だなとは思います。
舟津:なるほど。たしかに大事に扱われているし、きつく当たられるのは嫌ではあるから、それはそれでいいかなという気もしてると。他のお二方は今の状況をどう思われますか。 田川:僕はありがたいと感じています。ただ、怒ってくださるのも愛じゃないですか。怒るほうも体力を使いますし、きれいごとでなく、怒られなくなるのは怖いです。会社にもちゃんと怒ってくれる人がいるので、その方の存在は大きいと思っています。 崎山:僕も怒られないのは、本音としてはありがたいですね。間違いなく楽ではあります。ただ、怒られることで自分の成長につながるところがあるとも思っています。無理に今の状況が変わってほしいとは思わないですけど、楽なほうに流れてしまう怖さはありますね。
舟津:怒られることも必要だと思っているということですね。ただ、先日とある弁護士の方と話した際に聞いたのですけど、「そんなことではハラスメントにならない」と思うような案件は確実に増えているそうです。そのように「火のない所に」となってしまってはいますし、ただ現実的に問題になる案件は絶対数としてはかなり少ないはずなんですけど、確率はゼロじゃないから、会社や上司からすればやっぱりびびってしまうんですね。