「みっともない女と一緒にするな!」「台所洗剤を飲み干し…」家族4人殺し・毒殺夫婦の「異様な家族風景」
毒殺夫婦の出会い
「なれそめについて健一は『以前、志保はキャバクラで働いていて、そこで客としてであった』と言うだけでした。ただ健一は友達という友達もおらず、一人でキャバクラに行くようなタイプでもなかった。志保もお酒が飲めなかったので、おかしいなと感じて問い詰めると『スナックというか……』と歯切れの悪い返答をしていました。勇さんが結婚を反対していたのはそういう経緯があったからです。 健一も『親からは結婚を反対されていた』と語っていました。それでも彼は父親の反対を押し切って結婚した。元々、勇さんは一人息子だった健一を溺愛していて、彼の名義でマンションまで買ってあげていました。でも、結婚を反対されると健一はマンションを勝手に売って、そのお金をもとに志保と一緒に千葉の流山まで逃げていった。 そこでマンションを借りて生活していたそうですが、カネが尽きるとまた勇さんのところに泣きつくように戻って行った。その時にはすでに勇さんも健一を勘当していましたが、夫婦には子供が生まれていた。勇さんからしても孫が生まれてるわけですから、健一を受け入れるしか選択肢はなかった」 その後、夫婦は子供らとともに細谷家が持つ会社そばのマンションで生活。しかし、その暮らしぶりは異様なものだったという。
保育園に怒鳴り込む
「元々、健一たちが住んでいたのは一階が事務所で、二階が作業場のマンション。そこに当時5歳ぐらいだった長男がいたんです。志保はおらず、その子も少し落ち着きがないような子でせわしなく部屋を動き回る。それを見て、健一がいきなり怒鳴るんです。それも子供の名前を叫ぶだけ。子供がビクッってなるぐらい大声です。それも私たちの前で平然とやる。 長男も一瞬は驚くんですけど、すぐにケロっとするので、普段からそういう怒鳴り方ををしてるんだなとは思っていました。傍から見てるとしつけというよりは、当たるという言い方が正しかった。しつけって『パパはこれしてるから、これをしちゃだめだ』とか理由をちゃんと子供に説明するものだと思いますが、そういうのはなく、ただの八つ当たりのような印象です」 そんな環境下で育っていた子供らに周囲の大人たちも警戒の色を強めていたという。 「子供たちも保育園に時間通りに登園していませんでした。来るのはいつも10時頃。園が『園庭で遊ばせるので、動きやすい恰好で来てください』と伝えていても、健一たちはワンピース姿で登園させるなどお構いなしでした。 むしろあの夫婦はそういう要望をクレームだと思い込んで、健一が園に怒鳴り込んだこともありました。その時、志保はそばに停めていた車から降りてこなかったそうです。保育園もその育児環境に危機感を持っていて、細谷夫妻についてはびっしりとノートで記録を取っては児童相談所と情報共有をしていました」 そんな中、関係者が恐れていた事態が発生する。事件が起こったのは2019年3月頃だった。