慶応卒のエリートの子を「計画妊娠」した、37歳の専業主婦が「ハイスぺ婚」に絶望したワケ…こんなハズじゃなかった
意外に重い“学歴のチケット”
日本社会において学歴と年収は切っても切り離せない相関関係にある。独立行政法人 労働政策研究・研修機構「生涯賃金など生涯に関する指標 ユースフル労働統計 2021」によれば、最終学歴が高卒と大学・大学院卒の生涯年収を比較した場合、男性では約5600万円、女性で約6500万円の収入差があったことを報じていた。 早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する! しかし、単なる大卒というだけで、高卒よりも高収入が見込まれるはずもないことは周知の事実だ。現在は将来年収の目安も大学名で可視化されるため“学歴のチケット”は将来を考えるうえで意外に重い。 一方、少子高齢化の影響から働き手確保のための高卒需要も高まっている。東大の授業料値上げによる大学全体の学費高騰が危惧されるなか、働きながらキャリアを積み、転職してステップアップする道を選択する者も増加する可能性は十分にある。 借りた奨学金を返済できるだけの高収入を見込めればよいが、返済ができずそれゆえ望まない仕事で稼いだり、長く苦しい暮らしをしている者も相次いでおり、大きな社会問題にもなった。 現在、約8割が高校卒業後に進学、うち約6割が大学進学を希望していると言われているが、やみくもな大学進学は将来的に自分の首を絞めることにもなりかねない。進学であろうが就職であろうが、その一歩が未来の方向性を決定づけるため、ルートからはずれた者はコンプレックスに苛まれる場合もある。 千葉県で夫と子ども3人と暮らす、専業主婦のサツキさん(仮名、37歳)も、大学卒業後から15年間、学歴コンプレックスに悩まされているひとりだ。滑り止めなしの大学受験で失敗し、定員割れのいわゆるFラン大学に入学したものの辛い日々だったと話す。
ハイスぺを狙い「大逆転」をはかる
「親戚に会えば『どこの大学に入ったの? 』と聞かれ、話すと微妙な反応をされる。一番つらかったのは久しぶりに会った友達が、私の志望校に合格していたことです……。内心なんで私じゃないの? とすごく惨めでした。 行きたくもない大学に通うのも苦痛だったし、同級生の男性たちもパッとしない。本当に惨めでした。でも日が経つにつれて、こんなことで落ち込んでいちゃダメだ、ハイスぺと結婚して人生逆転しなくちゃ! と思うようになったんです」 そこから、将来性のある男性と交際すべく積極的に有名大学の学生が主宰するインカレサークルや合コンなどに参加した。大学名や内定先など条件をいちばんに相手を選んだ結果、大手銀行に内定している国立大の男性と出会った。 「見た目は全然好みではありませんでしたが、国立大で大手銀行内定のスペック、それに自分の主張をしない性格も決め手でアタックしました。 華奢で眼鏡のいわゆる非モテで、私と付き合うまで彼女がいたことがなかった男性だったからすぐに付き合えました。でもそれで自分がモテると勘違いしたのか、その後有名私立大学の女性と二股をしたんです。 相手は地味でパッとしない女性だったので、絶対に私が本命だと思っていたんですがフラれてしまって。遊ばれていたのは私のほうだったんです。約束はしてないけど、私が卒業したらその彼と結婚するつもりだったのでショックでした」 結婚後は専業主婦になる腹づもりでいたため、就活どころか職さえ探しておらず、その時点ですでに新卒の一次試験や面接がはじまっていたそうだ。フラられた直後から必死になって職探しを始めるが、結局1社からの内定も取れず、就職先が決まらないまま卒業を迎えてしまう。 「大手企業も受けましたが、たぶん”学歴フィルター”で落とされたんだと思います。面接まですすめたのは中小企業ばかりでした。でも中小で働くくらいなら、時間に自由のきくフリーターになって、ハイスペ狙いの婚活に力を入れたほうがいいと考えたんです」