「生徒の心のケアに努めたい」京都国際一問一答 選抜高校野球辞退
18日に開幕する第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の大会本部は17日、京都国際が大会参加を辞退したと発表した。選手ら関係者13人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。 【過去には小芝風花さんも】センバツ応援イメージキャラクター 17日に記者会見した京都国際の朴慶洙(パクキョンス)校長と寒川稔也(そうがわとしや)教頭の一問一答は次の通り。 寒川教頭 PCR検査で8人が陽性疑いとなり、昨日(16日)、医療機関を受診して正式な結果が判明した。集団感染の疑いもあることから、陰性の生徒にもPCR検査をし、うち5人が陽性となり、計13人が陽性となった。 朴校長 センバツ出場決定の喜びの知らせを受け、多くの人々の温かいご支援とご声援を胸に、生徒たちは来る日も来る日も練習に打ち込んだ。コロナ禍の中、多くの制限があっても、甲子園球場で野球ができる喜びに感謝し、日々練習に打ち込んでいた。 本校野球部は猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に対しても、できうる限りの感染予防対策を講じつつこの日まで来たが、ここ数日実施したPCR検査の結果、多くの陽性者が確認されることになった。 この結果を受け、出場辞退を決めたが、これまで一心に野球に打ち込んできた生徒たちのことを思うと、下したくない決断ではあった。しかしながら、生徒たちの健康と命、そしてコロナ感染に苦しむ多くの人々を思い、出場辞退の決断に至った。 今後は速やかな生徒たちの回復のための処置や、辞退により肩を落とす生徒たちの心のケアに努めていきたいと思っている。温かく見守ってくださることを、心からお願いしたい。 今回は本当に残念なことになったが、しっかりと治療と回復に専念し、また大好きな野球に打ち込む生徒たちをどうぞ応援してあげてほしい。 楽しみにしてくださっている皆様にこのようなお知らせをすることになったことについて、おわびとお礼を申し上げたい。 ――14日に検体を採取したのか。 寒川 学校内でした。 ――即日、結果が出たのか。 寒川 結果が出たのは15日。 ――症状が出ている人はいるのか。 寒川 症状のある人もいる。医療機関を受診し、適切な治療を受けている。 ――重症の人はいるのか。 寒川 いない。発熱程度となっている。 ――ワクチンの接種はしていたのか。 寒川 学校で把握できていない。本人や家族の意思で接種している生徒もいる。 ――学校は今日、修了式だった。選手たちは明日以降どう過ごすのか。 寒川 小牧憲継監督から選手たちに話をした後、自宅で療養する形になるのではないかと思う。 ――しばらくは寮に戻らないのか。 寒川 寮は消毒をし、万全な状態で生徒を戻したい。 ――学校として、どういう対策をしてきたのか。 寒川 寮監がミーティングをし、マスクの着用や消毒、検温をしてきた。体調不良を訴える生徒たちは医療機関にかかったり、こちらで判断できる生徒は処置をしたりしていた。 ――感染が広がった要因は。 寒川 選手たちはきちんと感染対策をしていた。どこから集団感染が起こったのかは特定していないが、生徒たちがしっかり予防していたことだけは、お伝えできる。 ――感染経路は判明しているのか。 寒川 今、府と連携しており、対応していきたい。 ――感染した13人の内訳は。 寒川 チームに帯同する31人のうちの13人ということで理解してほしい。 ――選手たちに出場辞退を伝えたのはいつごろ、誰が伝えたのか。選手たちの反応は。 寒川 選手たちには多分今、小牧監督から報告が入っていると思う。 ――野球部は学校にとってどういう存在なのか。夏に向けてどんな姿を期待したいか。 寒川 自主練習も含め、野球がこんな好きなんだなと、私たちも驚くぐらい練習をしっかりしている。特に今年のチームは「チーム力を上げていく」と辻井心主将が表明している通り、3年生、2年生ともに非常に仲の良いチームに仕上がっていると思う。 いろんな課題を乗り越え、日々の勉強もある中、新型コロナ対策もかなり厳しくしていた。練習の制限や(新型コロナの)休校措置を乗り越えてきた選手たちなので、次は夏の大会に向け、少しでも成長してほしい。 今回、全校応援を予定していたが、他の生徒たちも非常に楽しみにしていた。そういう生徒たちが甲子園でまた、メガホンをたたける日が来るのを楽しみにしながら、今はまず選手たちには体調を戻してもらい、心のケアは大切にしていきたい。学校として全力で支えていく所存だ。