「半沢直樹」コロナ禍で7年ぶり倍返し 権力に媚びない不屈の闘志で苦境打開
2013年に大ヒットを飛ばした連続ドラマ「半沢直樹」(TBS系、日曜・午後9時)が19日、新シリーズとして7年ぶりに帰ってくる。「やられたらやり返す。倍返しだ!」の名ゼリフに視聴者の溜飲が下がったバブル期最後の入行組、銀行員・半沢直樹(堺雅人)を主人公とする痛快なエンターテインメント。早くから続編が期待されていたが、コロナ禍による収録中断のため当初の予定より3ヵ月遅れて待望のスタートだ。
「今でしょ!」「じぇじぇじぇ」「お・も・て・な・し」の時代から「倍返し」復活
7年前の第1シリーズは、東京中央銀行の半沢が権力側の数々の不正に立ち向かい、絶体絶命の窮地から逆転劇を見せる展開で多くの視聴者を獲得。「倍返し」は2013年の新語・流行語大賞で林修氏の「今でしょ!」、NHK朝ドラ「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」、東京五輪招致プレゼンテーションで滝川クリステルが発した「お・も・て・な・し」とともに年間大賞に輝いたほど。原作は池井戸潤氏の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」。そして今回の第2シリーズは同じ池井戸氏の「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」がベースとなる。宿敵・大和田常務(香川照之)に倍返しを果たし子会社の東京セントラル証券へ出向した半沢が、営業企画部長として新たな難関に挑む。 「続編は前作の頃から話題にのぼっていました。原作もありましたし、戦いに勝利した半沢が子会社に出向を命じられ物語の先がまだまだあることを期待させる終わり方でしたからね。第1シリーズで取締役を演じた森田順平さんが当時登壇したイベントで『続編はやることはやるでしょう。監督の福澤(克雄)さんと原作の池井戸さんが半沢を頭取にと話していたそうなので、それを期待して。僕は出向させられてしまいましたが』と発言したのも話題になりました。ただあれだけのキャストをもう一度集めるのには7年もの時間を要したということでしょう。ドラマがヒットしたことで、その後の各キャストのスケジュールがよけい大忙しになってしまいましたから」(スポーツ紙40代女性記者) 第2シリーズも堺のほか前作でメインキャストだった上戸彩、及川光博、片岡愛之助、北大路欣也、香川照之が続投。新たに加わるのが賀来賢人、今田美桜、井川遥、尾上松也、古田新太、市川猿之助、戸次重幸、南野陽子、江口のりこ、池田成志、山崎銀之丞、筒井道隆、柄本明ら。「アンジャッシュ」の児嶋一哉の出演も18日にわかり、話題となったばかり。今田、井川ら原作にはいないドラマならではの登場人物の活躍も楽しみだ。 ヒットドラマは、必ずと言っていいほど世相を反映する。コロナ禍の日本経済に不安もささやかれるなか、上司にも権力にも物怖じせず、いかなる苦境も諦めず打開していく半沢の不屈の姿に、強い日本経済復活の希望を無意識のうちに重ねる視聴者も少なくはないはずだ。 (写真・文:志和浩司)