都内上演の舞台で出演者らクラスター発生 コロナ予防策取るも抑止は困難だったか
都内で上演された舞台「THE★JINRO-イケメン人狼アイドルは誰!!-」に関し13日、東京都と保健所の職員が劇場への現地調査および聞取り調査を実施、クラスター(感染者集団)について濃厚接触者がスタッフ・観客ら約850人に上ることがわかった。同舞台は6月30日~7月5日にかけて「新宿シアターモリエール」にて上演、その後13日までに主演の山本裕典をはじめナレーターのサッシャ、榊原徹士、原案と企画プロデュースを手がけた映画評論家・有村昆ら出演者や観客ら37名の新型コロナウイルス感染が判明している。劇場と同舞台を主催するライズコミュニケーションはそれぞれ公式サイトなどで経緯と今後の対応などを説明、ライズコミュニケーションではメールによる対応窓口を設置し情報提供や保健所などへの連絡を呼びかけている。
できる限りの感染防止策取ったが……
ライズコミュニケーションは13日、「16時55分頃、保健所から当社に対して、2020年6月30日から2020年7月5日に公演されました舞台『THE★JINRO-イケメン人狼アイドルは誰だ!!-』に関し、ご観覧者様からも陽性反応が多数確認されたことを受け、全ご観覧者様(約800人)が濃厚接触者に指定されたとの連絡がございました」と報告。上演にあたってはガイドラインを作成し、できる限りの感染防止対策に努めてきたものの多数の感染者が生じたことは事実として、「皆様には、大変なご心配とご負担をおかけしており、心からお詫び申し上げます。各方面から、また報道等を通して、多くのお叱りのお言葉も届いており、誠に申し訳なく思っております」と陳謝。引き続き適切に情報を把握し、新型コロナウイルスの感染拡大防止、観覧者の安全を最優先として同社公式サイトを通し発表していくという。 また、劇場の公式サイトでは、上演に際してとっていた対策を小屋入前の部分から開館前、開館後と詳細に説明している。それによると劇場スタッフとライズコミュニケーションでそれぞれ分担する形で出演者、関係者、観客それぞれに対する感染予防策を実施していたようだが、それにも関わらずクラスター発生を抑止することは困難だったようだ。 なお、マスコミ取材については多くのマスコミから対応窓口宛てに取材申し込みがきていることを明かし、「大変恐れ入りますが、上記のご相談窓口を設けた趣旨は、ご観覧者様への新型コロナウイルスの感染拡大防止にあり、健康状態に関するご相談内容について優先的に対応しております。また、上記のとおり、上記のご相談窓口は、現在、当社において健康状態に問題がない2名のスタッフで対応しております。そのため、マスコミの皆様に対して十分な対応をさせていただくことができません。心からお詫びを申し上げます」と、十分な対応が難しいことを説明。「事実と異なる報道には、本来であれば、感染拡大防止の点からも、ご回答をしたいところではありますが、まずは、今回のような感染が生じてしまった主催者の会社としまして、前記舞台をご覧になっていただいたご観覧者様とその大切な方々の人命を最優先させていただければと思っております。感染拡大防止の観点から、マスコミの皆様の報道も優先されなければならないことであることは承知しておりますが、何卒ご理解及びご配慮をいただければと思っております」と、理解を求めている。 この事態を受けて今月20日に同劇場で開催予定だったお笑いライブの中止が決定、主催のマセキ芸能社が発表した。お笑いコンビ「ナイツ」「三四郎」らが出演する予定だったという。 (文:志和浩司)