「いじめに遭い、本当につらい時期があった」。7度のF1王者ハミルトンが過去の精神的な苦悩を告白
ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、F1キャリアの初期にうつ病に悩まされていたことを明かし、「人生を通してメンタルヘルスについて苦しんできた」と認めた。 【写真】イギリスGPで優勝したルイス・ハミルトン(メルセデス) 7度のF1ワールドチャンピオンは、イギリスの週刊紙『Sunday Times』とのインタビューで、人生の初期に経験したいくつかの困難について初めて公の場で打ち明け、その後どのようにして自らの力で道を見つけて心の平穏を得たか説明した。 ハミルトンは、幼い頃から「学校とカート競技を本格的に両立し始めると、大きなプレッシャーを感じた。それにイギリスのカート界には僕のような選手が誰もいなかったので、僕はその場にふさわしくないと思わせようとする人もいた。同時に学校ではいじめに遭い、本当につらい時期があった。レースのランクが上がっても、そのつらさは消えなかった」と語った。 39歳の彼は「13歳くらいの幼い頃からうつ病を患っていた。レースのプレッシャーや、学校での苦労、そしていじめのせいだったと思う。それに、僕には話せる相手がいなかった」と続けている。 うつ病を患った人の多くがそうであるように、ハミルトンは家族に自分のことを打ち明けることはなく、後年になって一度だけ専門家の助けを求めただけだった。 来季2025年にフェラーリF1のドライバーとなる彼は、「何年も前にある女性と話したが、あまり役に立たなかった。今は誰かを見つけたい」と述べた一方、メルセデスで12年間にわたり大成功を収めた後、現在は「肉体的にも精神的にも良好な状態」にあると語った。 ハミルトンは、両親に打ち明けなかった理由について「父の前では泣けなかった。父はそういう人ではなかったから」と明かしている。 さらに彼は、トラック内外でいじめを受けていた間、それに対処するのに苦労したと付け加え、「僕はそのことを理解できていなかったし、両親は何が起こっているのか決して説明してくれなかった。父はいつも『冷静でいろ。我慢して、何も言わずにただコースで彼らに勝つんだ。それがお前にできるすべてだ』と言っていた」と説明した。 「両親から受け継いだものについて学び、そのパターンや、物事に対する反応、それをどう変えることができるかということに気づくものだ」と述べたハミルトンは、「過去に僕を怒らせたかもしれないことが、今はそうではない。僕は以前と比べてはるかに洗練されている」と語り、苦悩した時期が過去のことであることを強調した。 [オートスポーツweb 2024年10月03日]