【MLB】 かつてのMVPブライアントが復活目指す ロッキーズと7年契約も不良債権化
ディフェンディングチャンピオンのドジャースが今オフも大補強を敢行し、ダイヤモンドバックスやジャイアンツといったライバルも大型契約でスター選手を迎えており、来季以降もナ・リーグ西地区は激戦区となるだろう。その中で蚊帳の外となってしまっているのが、3年連続で地区最下位に沈むロッキーズだ。2022年にロッキーズに7年契約で加入したスター選手クリス・ブライアントは低迷するチームを救うべく、オフシーズンのトレーニングに励んでいるようだ。 【特集】2024年オフシーズンの移籍情報まとめ カブスにとって108年ぶりとなる世界一を2016年にもたらし、その年のシーズンMVPにも輝いたブライアントも現在33歳。2022年に7年1億8200万ドルの大型契約でロッキーズに加入したが、加入後はまるで別人のように変わってしまった。度重なる故障によって出場は3年間で159試合のみ、総合指標fWARでは全選手中2609位の-1.3に沈んでいる。WARは「代替可能な選手と比べて何勝チームに上積みできたか」を示す指標であり、MVPに輝いた年のブライアントは1年で7.5を稼いだ。その全盛期と比べると、ブライアントは見る影もなく衰えてしまったといえる。 もはやブライアントがかつてのようなスター選手に戻ることはないかもしれない。しかし、ロッキーズはブライアントがチームを好転させるのに十分な活躍をしてくれると期待している。ビル・シュミットGMは「私の理解では、彼はシーズン終了後も休んでいない。トレーニングを続けている。バットを振っている。うまくいけば、アリゾナの施設で少し練習できるだろう。(ヘッドアスレティックトレーナーのキース・ダガーとスタッフから聞いた話では、)彼は良い状態にある」とオフシーズンのブライアントの取り組みを前向きに捉えている。ブライアント自身も復活に向けて手応えを感じているようだ。「私はいつも自分にとても厳しいが、今シーズンのオフシーズンは、自分が見ているものに満足しているし、とても励まされている」とブライアントは地元紙に語っている。 ロッキーズはブライアントが来季DHと外野で出場することを期待している。ロッキーズには共にゴールドグラブに輝いた遊撃手エゼキエル・トバー、中堅手ブレントン・ドイルという期待の若手がおり、それ以外にも野手の有望株が頭角を現しつつある。強豪揃いのナ・リーグ西地区の牙城を崩すのは難しいかもしれないが、もし若手がブレイクし、ブライアントが復活すれば、ロッキーズは無視できない存在になるかもしれない。