いつも元気な、いとうあさこさんに神様がくれたふたつの力とは?【インタビュー/後編】
長い下積みを経て40歳直前で大ブレイクした、いとうあさこさん。ピン芸人として活躍する一方で、劇団「山田ジャパン」に所属する一俳優として舞台に立ってきた。いつも笑顔で、いつもパワフル。50代の今も、そのイメージは変わらない。いったいどうやってその元気、キープしているの?
気力は人の500倍。アルコール分解力も驚異的!
「周りにいる人たちから、『いつも元気だよね!』とか、すごく言われますけど、私の元気は気力なんですよ。気力はたぶん、人の500倍くらいあると思います。 神様は私に、ふたつの力をくれたんです。ひとつは気力、もうひとつはお酒の分解力(笑)」 まずはその、気力の話から。 「家から出かけるとき、最初に『よっこいしょ!』って気力をオンにすると、あとはだーっとエンジンがかかるんです。 もちろん50代に入ってからは体の痛みとか疲れとかあるんですけど、エンジンさえかかればその日一日、ずーっとフルに動ける。最初にブルンブルンブルンッて、そこが大事です」 エンジンをかけて、ガソリンとなるのは、おいしいもの。 「飲食が大事なんです。別に高価なものじゃなくても、おいしいと思うものを口に入れたい。それにお酒も大好きですし」
かなりの酒豪と言われているけれど、年に1回受ける人間ドックで、内臓の数値に問題が生じたことはないという。 それが神様がくれたふたつめの力、アルコール分解力。 「これだけ飲んでいるのに、肝臓の数値もまったく問題がないんです。しかもこれ、奇跡なんですけど、内臓脂肪がないんですって。 もちろん『肥満』という文字は必ずついておりますが。ということは逆に言うと私の脂肪はすべて皮下脂肪。ぞっとしません?(笑)」 とはいえ、そんなあさこさんでも、50代に入る頃から体調に変化が。 「やる気満々人間のつもりで生きてきたんですけど、急にやる気が出なくなったというか。 ソファに寝っ転がって、ずーっとスマホで、とうもろこしと麦を育てるゲームをやっていて、気がついたら4時間ぐらい経っていたんです。『あぁ、私、こんな人間じゃなかったのにな』って」 心配になって人間ドックのときに婦人科の先生に相談したら、こんな返事が返ってきた。 「『あさこさん、50歳になっちゃったから、ホルモン、なくなる。疲れる。やる気でない。それ、しょうがないねー!』って。台湾出身の先生なので言葉がシンプルなんです(笑)。 それで傷つく方もいらっしゃると思いますけど、私は『そうか、しょうがないんだ』と思って、よけいダラダラするようになりました(笑)。 本当にしばらくは何もできませんでしたから、受け入れるしかなかった。納得したというか、抗う力もなくなっていて」 ようやくそんな状況からは脱したものの、「これがいわゆる更年期か」と、しみじみ実感したという。そんな頃から活用しているのが、アミノ酸。基本的にはサプリメントよりも毎日の食事が大切だと思っているけれど、これだけは別格だという。 「私は黄色い粉と呼んでいて(笑)、ここ一番、頑張るときにはなめています。最初になめてみたら『ええ?』っていうくらい元気になったので。 普通にドラッグストアで手に取った、ゴールドだったかプロだったか。最後の1本が終わって次を買うから名前とか覚えていないんだけど、アミノ酸界でもわりとリーズナブルなお値段の。 私がそういう話をしたらいろんな人が『このアミノ酸いいよ』とか、あれこれ教えてくれたり、高価なアミノ酸をくださったりしたんですけど、そっちは全部ダメで。安上がりにできているんですね(笑)」 あとは、毎日お風呂に入ること。 「もともと江戸っ子ってわけじゃないですけど、本当にカラスの行水で、しゃーっと浴びて『てやんでい!』って出たいから、湯船になんかつかれなくて(笑)。 でも今は無理にでも湯船に入って、体の疲れをリセットするようにしています」