「ヒートショック溺死」は愛媛、鹿児島、静岡に多い理由…「暖房をつけても足元が冷える部屋」を放置してはいけない
■フルリノベが無理なら「窓の性能」を高めよう 併せて、気密性能が低い家では、暖気が天井や屋根から逃げ、その分、床下等から冷たい隙間風が入ってきます。これらが日本の住宅の足下が寒い最大の要因です。窓の性能を高めるだけで、十分とは言えませんが、家の寒さはかなり改善されます。 国は、地球温暖化対策という観点から、既存住宅の高断熱化に力を入れています。その一環として、「先進的窓リノベ事業」という窓や玄関ドアの断熱リノベに非常に高い補助率の補助制度があります。この制度は、窓の大きさや断熱性能による定額補助のため、補助率が何%なのかは一概には言えないのですが、当社が提携しているリフォーム会社の試算では、50~60%程度の非常に高い補助率になるようです。 「先進的窓リノベ事業」による窓の高断熱化は、4つの工法から選択できますが、住みながらのリノベの場合は、図表7に示す「内窓設置」か、「外窓交換(カバー工法)」のいずれかになると思います。 ■1窓あたり約60分程度ですぐできる 「内窓設置」は、既存の窓の内側のスペースに高断熱サッシを設置するものです。費用も安く、工事も1窓あたり約60分程度で手軽に高断熱化を図ることができます。窓を開ける際に、2枚のサッシを開けなければならないのが欠点ですが、手軽な方法でおすすめです。また、マンションの場合も、管理組合の理事長承認等を必要とせずに独自に設置が可能です。 「外窓交換(カバー工法)」は、壁の中のサッシのフレームは残してカットし、その内側に既存窓よりも若干小さいサイズの高断熱サッシを入れる工法です。窓が二重になるのはちょっと、という方にはおすすめです。壁を壊す必要がないので、比較的手軽にできる工法です。施工時間は、1窓あたり、3時間から半日程度です。 「先進的窓リノベ事業」については、詳しくは、環境省の特設ページをご覧ください(2025年度も継続実施予定)。