広島は「歴史的大失速」で4位に転落! 球団関係者が語る「新井監督の内心」 “ポジティブ発言”に垣間見える苦悩とは
広島が、シーズン終盤の“歴史的大失速”で、首位から4位に転落した。8月終了時点では貯金13で首位を走り、6年ぶりのリーグ優勝への期待が高まっていたが、9月は5勝20敗と大きく負け越して4位に後退。優勝どころか、クライマックス・シリーズ進出も逃した。【西尾典文/野球ライター】 【写真を見る】女子アナと結婚! 新井監督の兄は同じくカープの二軍打撃コーチを務める ***
“野手が投手を育てられない”今のカープ
なぜ、広島は大失速をしたのか。今年の成績をみると、チーム防御率は3位で優勝した巨人や2位の阪神と大差はなかったものの、チーム打率と本塁打数は最下位に沈み、得点力不足に大きな課題があることがわかる。ただ、9月の月間成績だけに絞れば、“違った側面”が見えてくる。 9月はチーム打率.241。6月(打率.218)、7月(打率.211)と比べても高い。それとは反対に、6月は13勝10敗、7月は9勝10敗。打てないながらも、しぶとく勝ち星を拾ってきた。一方、チーム防御率は4月~8月まで5カ月連続で3点未満を記録していたが、9月は4.29と大幅に悪化している。 「先発投手は、多少の失点をしても、打線が好調であれば『取り返してくれる』という気持ちで投げることができます。序盤から思い切った配球で相手打者を攻めていき、ゲームの中盤でこれが効いてくることが多いですね。逆に味方打線の援護が少なければ、初回から1点もとられたくないという意識が強くなって、どうしても慎重な配球になりやすい。何とか(打順の)一回りは抑えても、二回り以降は、投球の幅が狭くなり、厳しくなりますよね。9月のカープ投手陣を見ていると、そんな印象を持ちました。『野手が投手を育てる』とよく言いますけど、今年のカープは真逆になってしまいましたね」(投手出身の球界OB) 今年の先発陣は、床田寛樹と大瀬良大地、森下暢仁が支えたものの、9月の防御率は、床田が5.14、大瀬良が5.31、森下が6.92と、軒並み散々な数字となった。床田と森下は、主力投手になって以降、優勝争いのかかるシーズン終盤を初めて迎えたことで、これまでに経験がない強いプレッシャーに押しつぶされたのかもしれない。結果的に、投手陣が踏ん張っている間に、打線の調子が上がらず、最終的に投手陣も共倒れになってしまった。