【中学受験2025】最難関校はチャレンジ層が減少、大学附属校の志望者増加…SAPIX
また、順天堂大学との連携を進めている宝仙学園理数インターも話題です。首都圏では国公立の医学部が少なく、私立大学への進学を視野に入れる家庭は少なくありません。順天堂大学は医学部の評価が高く、共通テストで一定の基準を取れれば合格するチャンスが提供されるとあって、医学部を目指す生徒にとって大きなメリットとなっています。同じく医薬系で有名な北里大学との提携が決まった順天中学も、具体的な中身がまだ発表されていないにも関わらず、すでに偏差値に影響が出ているなど、保護者の関心の高さがうかがえます。
近年加速している私立中高と大学との連携に関しては、内部進学推薦枠が大きい学校一部授業や探究活動を一緒にやるのみといったものまで、学校によって協定の内容に差があります。どのような教育協定を結んでいるのか説明会でしっかり確認するなど、学校選びの重要なポイントにしてほしいと思います。
面倒見の良い学校、理数系に強い学校が人気
大学附属校の偏差値が上昇する一方で、受験者を集めているのが日本工業大学附属駒場、足立学園、佼成学園です。これらの学校は、面倒見の良さや進学実績が評価されており、特に共働き家庭にとって安心して子供を預けられる環境が整っている点が大きな魅力です。女子校でも同様の傾向が見られ、千葉の国府台女子学院、鷗友学園女子、吉祥女子、洗足学園、田園調布などが人気を集めています。これらの学校は、昔からのブランド校とは異なりますが、進学校としての実力をつけ大学進学において結果を出していることが評価につながっています。
また、近年は理系教育に力を入れる女子校の進学実績が向上しています。「医進コース」を設ける淑徳与野、湘南白百合や山脇学園なども独自の入試方式やスーパーサイエンスハイスクールとしての活動に期待が高まっています。豊島岡女子学園では新たに「算数・英語資格入試」を導入し、算数の得点を2倍にして英検取得級によるみなし得点を加えた300点満点で合否を判定します。6年生の時点で英語ができる子は一定数いますが、さらに豊島岡女子学園の算数で高得点を取れる子というとかなり限られるので、理数系に優れた生徒を集めることを目的とした入試制度ととらえて良いでしょう。英検3級程度の英語力があり、かつ算数が得意な女子にとってはチャンスが広がるのは間違いありません。