【中学受験2025】最難関校はチャレンジ層が減少、大学附属校の志望者増加…SAPIX
偏差値=学校の価値ではない
--これから受験日までラストスパートをかける小学6年生、保護者へのアドバイスを頂きたく思います。
1月になると、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症の心配が付きまとうと思います。ここ数年、1月に関しては対面授業かオンライン授業を受けるかを選べるようにしています。子供たち同士で切磋琢磨できる環境という対面授業のメリットは大きいですが、自宅で学ぶことも感染リスクを避けられる選択です。どちらが正解というわけではないので、日によって通塾とオンライン授業を使い分けるなど、保護者が状況に応じて判断しながら活用していただけたらと思います。
第一志望校合格はもちろん喜ばしいことですが、第二志望や第三志望の学校に進学する場合でも、他の人から見れば羨ましいほどの良い学校であることが多いです。第二志望や第三志望の学校であっても、教育内容が悪いというわけでは決してありません。むしろ、トップ校は面倒見が良くない場合もあり、その結果、成績が伸び悩むこともあります。それに対して、二番手や三番手の学校にある程度余裕をもって入学した方が、伸びる可能性が高い子もいるのが現実です。ですから、「ご縁のあった学校が一番良い学校」という気持ちで、学校の良い面を積極的に見てほしいです。
また、「偏差値のマジック」にも注意が必要です。偏差値は、同じ日・同じ時間帯に受験した際の入りやすさを示しているに過ぎず、それ自体が学校の価値を表しているわけではありません。たとえば、渋谷教育学園渋谷と開成を比較して、どちらが良い悪いとは一概には言えませんよね。それぞれの学校にはそれぞれの良さがあり、偏差値だけで判断するのは意味が薄い場合もあります。特に午後入試や1月校の入試では、偏差値の高い合格者は、実際には他校に多くが進学するケースもありますので、偏差値表を過信し過ぎないことも大切です。
これは他学年にもいえることですが、学校選びの際には減点法ではなく加点法で評価することを心がけましょう。実際に進学する学校に対して良い印象をもっていると、入学後も前向きに取り組むことができます。一方で、マイナス面ばかりを見て選んでしまうと、せっかくの合格も心から喜べなくなってしまいます。どんな学校にもマイナスに映る点はあると思いますが、良い点に目を向けることで、より良い学校選びができるはずです。説明会や学校行事に参加することが難しくても、ぜひ何らかの形でお子さんを連れて学校の雰囲気を感じてみてください。放課後のようすや下校時の子供たちの姿を見るだけでも、その学校のイメージが大きく変わることがあります。学校をよく見たうえで、後悔のない選択をしていただけることを願っています。