【中学受験2025】最難関校はチャレンジ層が減少、大学附属校の志望者増加…SAPIX
また、筑駒のような国立校は文部科学省の規定に従ったカリキュラムが求められますが、その点私立は柔軟に対応できるため、開成のように海外大学進学に向けたプログラムなどを充実させることができます。特に、海外大学を目指す場合は入試制度が日本とは根本的に異なりますし、奨学金などの確保の必要もありますので、そのノウハウが豊富な私立が有利です。
1月は地方校の東京入試も選択肢に
--埼玉・千葉といった1月校の動向についてはいかがでしょうか。
新型コロナウイルスの影響で一時期は埼玉・千葉の受験を避ける動きもありましたが、現在は完全に元の状態に戻り、1月受験は再び受験生にとっての大切な試金石となっています。
埼玉県では、栄東がこれまで1月10日と11日に分割していた入試日程を、2025年度から両方受験可能な形に変更しました。東大クラス、難関大クラス、東大クラスの特待生合格を目指す入試などいくつかの形態の入試があり、受験生は最大5回受験できるようになるなど、さらに多くの受験生を集めることが予想されます。開智学園では、2024年に開校した開智所沢が多様なコースを設置し定員を大幅に増加させています。昨年度同様、開智学園中高一貫部(さいたま市岩槻)との共通入試が実施され併願が可能になるため、2025年度もこの2校が注目の的となるでしょう。淑徳与野も、昨年度新設された理数・医学部を目指す「医進コース」が引き続き受験生に人気を集めています。ほかにも大宮開成や埼玉栄など進学実績が堅調で躍進している学校が多く、人気校がひしめいているのが埼玉入試の特徴です。
千葉県では、進学実績が向上した市川が安定した人気を保っています。共学化した光英VERITASのほか、芝浦工大柏、専修大松戸、麗澤、二松学舎柏、千葉日大一などの附属校も多く、個性豊かな学校が人気を博している印象です。
さらに、石川の星稜中学校や長野の松本秀峰が新たに東京入試を設け注目を集めています。北海道の北嶺や早稲田佐賀は依然として高い人気を誇り、寮のある地方の名門校も受験校として選択肢の1つとなっていることがうかがえます。いずれの学校を受けるにせよ、1月校の受験を経て2月に向けての準備を整えることが、合格への大きなステップとなるのは間違いありません。