【中学受験2025】最難関校はチャレンジ層が減少、大学附属校の志望者増加…SAPIX
プチ・サンデーショックの影響も…
--志望者数の増減など、顕著な変化が見られる学校はありますか。
今年度、志願者数を増やしているのが慶應普通部です。昨年度から筆記試験の合格最低点や平均点などの入試結果を公表し始めたことで、受験生にとって合格基準が明確になり、受験者数が増加しています。また、2025年は2月2日が日曜日にあたるため、プロテスタント校である青山学院が入試日を2日から3日に変更したことが他校にも影響を及ぼしています。特に男子の場合、立教池袋、明治中野、明大明治といった大学附属校の2日入試が厳しくなる一方で、3日の入試がやや緩和される可能性があります。私大の入学定員厳格化が緩和されたことで一時は附属校人気が落ち着いていましたが、今年はGMARCHをはじめとする大学附属校の志望者増加という流れが再び見受けられます。
--難関校の動向について教えてください。昨年度、男子では麻布・武蔵、女子では鷗友の志願者が10%近く減少しましたが、今年度の志願動向に影響は出ているのでしょうか。
鷗友に関しては一時的な減少から持ち直したものの、麻布や武蔵は依然として志願者減少の影響を受け続けている状況です。教育内容自体は非常に素晴らしいのですが、附属校人気や面倒見の良い中堅校の影響があります。特に神奈川県の聖光学院が東大合格者数を伸ばしている一方で、麻布はその数を減らしているのが現状です。ただし、先にも述べた通り上位層は大きく変わっておらず、チャレンジ層の減少が志願者数の変化に影響を与えています。志望者が減っているからといって入りやすくなるかというと、見ための数字ほど実際の入試の難易度に変化はないと考えた方が良いでしょう。
--男子最難関・筑駒については昨年度に通学範囲を広げたことが話題になりました。
これにより受験生の数が増えたものの、住んでいる地域によっては筑駒と開成両方に受かって開成に進学するというケースも一定数ありました。通学時間の問題もそうですが、筑駒が1学年160名に対して開成は高校も含めると400名という規模の差があります。人数が少ない方が面倒見が良いと感じる人もいれば、逆に開成のように生徒数が多いことで、クラブ活動などの面で幅広い経験ができる点をメリットと感じる人もいます。この規模感を魅力と捉えるか、手厚いサポートを重視するかで進学先の選び方も変わります。