「最高値を更新中の“ビットコイン”と“2024年のクリスマス商戦”」愛と経済の伝道師“宗さま”こと宗正彰が解説
◆みんな今年は何を贈り合っている? クリスマス商戦に注目
やしろ:そして、今の時期はクリスマス商戦の真っ只中です。経済活動や景気に与える影響は、やはり大きいのでしょうか? 宗正:大きいですね。クリスマス商戦は、11月の第4木曜日の感謝祭(サンクスギビング)あたりから大々的なセールが始まり、「ブラック・フライデー」「サイバー・マンデー」などを経て、クリスマス本番……と続きます。1年のなかで一番ものが売れる時期ですし、パーティーなどの飲食も盛大ですよね。 日本の景気は半分以上が個人消費で決まるという話を何度かしてきましたが、特にアメリカの場合はその動きが顕著で、クリスマス商戦の前後を含めた2ヵ月間で、年間の小売売上のおよそ6割を占めるといったデータもあります。 アメリカのGDP、国内総生産は世界全体のGDPのおよそ2割を占めます。私が若い頃、ファンドマネージャーやアナリストとして運用の現場にいた頃は、今の時期はクリスマス商戦の動きしか追っていませんでした。それくらい世界経済には影響があります。 やしろ:なるほど。今年のクリスマスプレゼントに見られる傾向などは、あったりするのでしょうか? 宗正:さまざまな調査がありますが、全体的な傾向として、子ども世代、小学生くらいまでは知育玩具が流行っていますね。音声クイズに答える絵本、プログラミングができるロボットなどです。 それからティーンエイジャー層は、個性重視のファッションや最新ガジェットです。ガジェットは、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチですね。20代から30代は、実用性とトレンドを兼ね備えたファッションアイテム。例えば今のようなキャッシュレスの時代だと現金を持ち歩かないので、財布にしても薄型で小型、でも上質なレザー製で……などです。そこから上の層になると、暮らしをサポートするギフト。心地よさ重視ですね。高機能マッサージガンなども人気です。 やしろ:なるほど。巨大なぬいぐるみを贈るとか、そういう時代じゃないんですね。子育てにしても、実用性があるものをプレゼントしたり、他の世代もみんなが使うものを……という贈り物が人気なんですね。 やしろ;クリスマスの経済効果は、金額にするとどれくらいなのでしょうか。 宗正:プレゼント代やパーティーなどの飲食費といった直接効果のほか、クリスマス旅行にかかった費用やイベント参加費などの間接効果を加えると、ざっくり1兆円くらいです。バレンタインデーやホワイトデー、ハロウィンなどのおよそ10倍です。 そして年末年始、お正月の初詣効果もクリスマスの経済効果の次くらいに大きいんです。年末年始は経済効果的にも、大型イベントが続く時期なんですよね。 やしろ:公務員の方のボーナスがけっこうよかったというニュースもありましたし、ぜひ余裕のある方はたくさん使っていただいて、経済を回していただきたいですね。僕らも他の方の給料が上がったと聞くと、「うらやましい」という気持ちが生まれちゃうこともありますけれど、やっぱり儲かった人たちに使ってもらって、お金が回れば回るほど自分たちも景気がよくなりますから。 宗正:この10月からは最低賃金も上がりましたからね。時給換算で、全国加重平均1,055円になりました。過去最高額です。 やしろ:いいですね。「得手に帆を揚げる」じゃないですけれど、いい風が吹き始めているときに景気がよくなるような話をしていきたいですね。 (TOKYO FM「Skyrocket Company」2024年12月11日(水)放送より)