まひろに心を開いた理由、敦康親王との関係は?…『光る君へ』彰子役・見上愛インタビュー「捉え方は人それぞれ」
まひろに心を開いた理由「捉え方は人それぞれ」
──彰子にとって、まひろとの出会いは本当に大きかったですね。 大きいと思います。もちろんお父さん、お母さんはすごく大事にしてくれましたけど、彰子を一人の人間として・・・中宮だからとか、そういうこととは関係なく向き合ってくれた、初めての大人だと思うので。 ──第33回で、まひろにだけ自分の好きなものを打ち明けた理由について、視聴者の間ではいろんな説が飛んでいましたが、彰子的にはどんな理由があったのですか? それ、すごく難しいんです。1つの話の中でも描かれてない時間がすごくあることが、前提になってしまっているんで。だから「あ、これは急に(変わったように)見えるだろうな」と、演じるときもすごく難しいなと思っています。 ──実際は出会ってから日にちが経ってるから、ある程度お互いを観察できている状態で、あの会話がかわされたと。 急に(心を)開いたわけじゃなくて、自分が好きな一条天皇が心惹かれる物語を書いている人ということで、もともとすごく興味があって。さらに、誰にもゴマをすることなく、はっきり物事を言うところとかを見て、徐々に「この人だったら、自分の本心を言えるかも」と変化しての、あのシーンだったんじゃないかなと思いますね。 「ほかの女房が『こうしてください』と言うのに対して、まひろは彰子のやりたいことを尊重したからでは」という考察も見ましたけど、捉え方は人それぞれで、どれが正解とかはないと思います。 ──今、「自分が好きな一条天皇」と言われましたが、やはり彰子は最初に会った時から、一条天皇が好きだったんでしょうか。 台本のト書きだと、割と一目ぼれでした(笑)。「会った瞬間からときめいているけど、表情には出さない」という感じでしたので。でも自分の「好き」という思いを、どう出していいかわからなかったし、どう接していいかもわからない。単に好きというだけじゃなくて、位的にもめちゃくちゃ尊い人なので。 その気持ちを「出していこう」というのではなく、ついあふれたのが、第35回のシーンだったと思います。そこまでは、彰子は帝に本心が伝えられなかったので、実は好きということは、わからなかったかもしれない。 ──いや、少なくとも視聴者にはダダ漏れでしたよ。 本当ですか? よかったです(笑)。 ──そうやってまひろが「好き」の出し方を教えてくれたわけですね。 うーん・・・「教えてくれた」というと、ちょっと違う気がして。まひろは本当に、彰子のなかにあるいろんな感情や言葉を、少しずつ引き出す手助けをしてくれたんです。「どうやったら帝に好かれるか」を教えてくれた人はほかにもいるけど、まひろは「こうしたらいいんだよ」ということではなく、眠っているものを引き出してくれたという感じです。