BMW Z4 詳細データテスト 希少なMTで味わえる柔軟なエンジン 直感的でない可変ステアリング
快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
このZ4は、期待したシャープなスポーツカーではなかったが、それほど悪いことだろうか。本気で走る気分ではないときに、まるで普通の3シリーズのような走りをみごとにこなしてくれるなら、それもいい。短いホイールベースに低扁平タイヤの組み合わせにミラクルを期待するべきではないが、Z4の乗り心地は上々。平坦でない舗装や、大きめのバンプに遭ったときでもだ。 シートはすばらしい。パッドは十分にあり、快適に感じられるが、フカフカすぎるほどではない。予測する調整機構はすべて揃っており、サイドサポートのきつさも変更できるので、どんな体格でも横サポートには満足できる。 残念な点があるとすれば、わずかではあるが、高速道路の速度域で、路面によってはロードノイズがそこそこあることだ。計測結果は113km/hで70dBAで、ポルシェ718ボクスターよりは3dBA小さく、アウディTTクーペに比べても1dBA大きいのみだ。しかし主観的には、整備が行き届いていない舗装だと、数字以上にノイズがかなり気になる。
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
Z4 M40iの価格は5万7350ポンド(約1090万円)からで、競合するポルシェ・ボクスターGTS4.0より2万ポンド(約380万円)ほども安く、装備内容も充実。いくつかのオプションは付けたくなるだろうが、それらも法外な値付けはされていない。 特筆すべきオプションが、今回のテスト車に装備されているハントシャルターパックで、価格は5325ポンド(約101万円)。内外装色が1種類のみというのは限定しすぎだと思うが、BMWによれば、このモデルにはすでに強い関心が寄せられており、今後はユーザーの反響次第で別仕様の設定も検討するという。 これまでの経験から、B58が動力面の能力のわりには経済的なエンジンであることはわかっている。クローズでのクルージングでは、12~13km/Lを出すことが可能だ。このエンジンを積んだほかのモデルにはやや劣るが、6速・113km/hで2600rpmという比較的ショートなギア比が理由だろう。 テスト時の平均燃費は10.5km/Lに止まったが、これは動力性能計測を含むため、高回転で使う機会が多かったからだ。