食品の価格を日本と比べてみたら?噂のセーヌ川&エコへの取り組み【パリオリンピック通信#3】
今回も熱い戦いの末、閉会式を迎えたオリンピック。これからパラリンピックも始まります。そんな一大イベントを、現地の皆さんはどう受け入れているのでしょうか。フランス在住の日本人が見た、パリの街の様子を数回にわたってお送りします。第3回目は、食品の物価、エコ意識の高まるフランス、街の観光客の様子などをお伝えします。 【写真15枚】えっ!260g前後の鶏むね肉が約730円!? フランスの大手スーパーに並ぶ食料品とその価格などを写真で見る
パリの食品物価事情
さて、今回はスーパーでの物価のお話。オペラ通りにある大手スーパー「モノプリ(MONOPRIX)」で撮影してみました。 コロナ禍の影響やウクライナ情勢などもあり、世界的な物価の高騰が続いています。今のところフランスでは野菜や果物の価格は比較的落ち着いています。 日本と違い、自分で必要な分だけを取って買うはかり売り方式なので、価格は1kg単位で書かれていることが多いです。トマト、リンゴ、キウイなど決まった個数で売っているものは箱に入って定価で売られているものも。 フランスでは、昔から魚の値段が日本に比べてとても高いですが、最近では特にお肉もずいぶんと値上がりしたように感じます。ちなみにお肉の中でも特に価格が高いのは鶏肉。日本とは逆で、もも肉よりむね肉の方が高価です。割と安いのが豚肉。 またバターやヨーグルトなどの乳製品も値上がりしています。日本でも人気の『エシレ』のバターも最近ではスーパーで購入できるようになりました。ただし一般的なバターと比べて倍近い価格です。 外食の際も、レストランでのランチメニューは以前は前菜、メイン、デザートの3品で25ユーロ(4,000円前後)くらいが相場だったのが、安くて30ユーロ(4,800円前後)、普通で35ユーロ(5,600円前後)くらいといった感じになりました。またアラカルトのメニューも、昔は1品が15ユーロ(2,400円前後)程度でしたが今は25ユーロ(4,000円前後)くらいします。
環境問題への意識が高まるフランス
今回のオリンピックでは、新しいスタジアムなどを作ることなくできるだけ既存の施設を活かした会場を使用するなど、環境へ配慮した「エコ五輪」を推進しています。会場でも飲み水はリフィル容器を使用するなど「使い捨てプラスチックを使用しない初めての五輪」を実現すべく努力されているようです。 私は今年の6月まで南仏エクサンプロヴァンスの大学で日本語教師として働いていました。日本語学課及び日本語を履修する学生は毎年約250人の1年生が入学してきます。それほど日本は人気があり、日本に留学や旅行したことのある学生もたくさんいます。 授業中に環境問題について学生達にディスカッションしてもらったところ、日本人は環境問題に敏感で分別ゴミの仕分けはきちんとするのに、日常生活でプラスチックを多く使用し過剰包装している。 パン屋さんに行けばパンが1個ずつビニール袋に入れられたり、コンビニやスーパーの食品もプラスチックで包まれていたり、お菓子の箱の中身もひとつずつ個装されているのにギャップを感じるという意見がありました。 確かにフランスのパン屋さんはクロワッサンやパンオショコラなどいろいろ買ってもひとつの紙袋にまとめて入れます。マルシェでの買い物も、選んだ野菜ははかりの上のかごで重さを計られて、最後にまとめて袋に入れられます。 フランスでは2022年1月から果物・野菜のプラスチック包装が禁止となりました。スーパーのパッケージは箱に変わり、野菜などを入れる袋も紙に変わりました。 最近ではあらゆるお店のレジで「購入明細のレシートやクレジットカードの控えは必要ですか?」と聞かれます。スーパーのセルフレジでも会計の最後にレシートの要・不要を選ぶようになっています。生活の細かなところから意識改革が進んでいます。