peco「乗り越えるために“前”ではなく“上”を向く」最愛の息子と生きていくために #今つらいあなたへ
「あの時こうしていたら」ではなく、今はとにかく前を向く
――当時を振り返ってみて、今どんなことを思いますか。 peco: ryuchellのことがあるまで、私は何にも悩んだり落ち込んだりしたことのない人生だったんです。のほほんと、ぼーっと、楽しくゆっくり生きてきました。でもryuchellがいなくなってしまった時に、初めて気持ちがどうしようもないぐらいに沈んで涙が出てきてしまう経験をしました。 その経験から、どれだけ楽しそうに見える人、幸せそうに見える家庭でも、何か抱えているものや人に打ち明けられないことがきっとあるんだろうな、と思うようになったんです。特に家族の悩みは一番言いにくいだろうな、と。もし今何かを抱えている人がいたら「それは悪いことでも恥ずかしいことでもない」と私からは伝えたいですね。 18歳で上京してきてから28歳の今までで、何かもう全部を1回やり終えたような感じもあります。もちろん良いことばかりではなくて、悲しい感情になることもあった。でも、ryuchellに出会えたこと、そしてその人との間に何よりも大切な息子が生まれてきてくれたことで、私はこの先、誇りを持って生きていけるなと思っています。 ryuchellとの思い出は息子とも毎日のように話しているし、振り返る気持ちはもちろんあるけれど、「あの時こうしていたら」ではなく、今はとにかく前を向こうと思っています。 最近、「pecoちゃんは前向きで元気そうで良かった」というお声をいただきます。もちろん元気だし前向きなんですけど、じゃあ乗り越えられたから前向きなのかと言われると、実は私のなかでは反対です。乗り越えるための手段として前向きでいる。もう前どころか、上を向くみたいな感じです。落ち込む気持ちから抜け出す方法は人それぞれだけど、私のやり方はそうだよと伝えたいですね。 ----- peco 1995年、大阪府出身。タレント、ブランドプロデューサー。原宿系ファッションのカリスマ読者モデルとして人気を博し、パートナーのryuchellさんとバラエティ番組やCMに多く出演。2016年に結婚し、一児の母としてSNSでの発信やファッションブランドのプロデュースなど幅広く活躍している。2022年に夫婦関係解消後も、新しい家族としての関係を続ける。2024年2月に自伝『My Life』(祥伝社)を刊行。 文:遠藤光太 (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました) 「#今つらいあなたへ」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。つらい気持ちを抱えた人の「生きるための支援」につながるコンテンツを発信しています。