”DV逮捕”の道渕を電撃解雇したJ1仙台に隠蔽疑惑…問われる管理責任と納得のいく説明義務
くしくもベガルタは先月26日から、ファン・サポーター、すべてのステークホルダーへ向けて「クラブ緊急募金」をスタートさせていた。 募金にクラブの存続をかける上で、看板選手のDVによる逮捕というスキャンダルは、好ましくない影響を及ぼすと判断されたのか。初動対応を誤った上に週刊誌報道を受けて道渕の契約解除に至った経緯には、事実の隠蔽を図っていたのではないか、という疑惑の目を向けられても仕方がない。 随時報告を行っていたJリーグとは示談が成立した段階で情報の共有がストップしていた。20日午後にはJリーグの臨時実行委員会がオンラインで開催されたが、会見に臨んでいた菊池社長は欠席。別の幹部から一連の経緯が他のクラブへ説明されたなかで、村井満チェアマンは、独立した組織の裁定委員会で事実の把握やリーグとしての処分を検討していくとした上で、こんな苦言をていした。 「プライベートな内容ですが、選手は社会的に公的な存在であることを考えれば残念ですし、新型コロナウイルス禍でリーグ、そしてクラブの役割は希望の存在になると誓ってきました。期待を裏切る結果となり非常に残念ですし、絶対に繰り返されないように啓発などを繰り返していきたい」 もし会見の説明通りに逮捕という事実を確認できなかったのならば、ベガルタの経営陣がガバナンス能力をもちあわせていないということになる。 そして、そもそも、甲府時代に“前歴“のある選手を管理できていなかった管理責任を問われる。また逆に隠蔽しようとする意図が働いていたとすれば、今後、検討されるフロントへの処分は生半可なものでは済まなくなる。逮捕の2文字が報じられている以上、意味不明な説明や道渕の契約解除で問題は解決したことにはならない。今後の対応次第では、ベガルタ経営陣への不信感だけでなく、サッカー界全体の信頼とコンプライアンスを問われる問題にまで状況は深刻化していくだろう。