《女性の心と体を救う「性差医療」》体格やホルモンバランス、働き方や生活習慣など「男女の違い」を反映した医療が進化している
男性基準の医療から多様性の医療へ
これまで現役バリバリの男性を基準にしてきた医療も、ようやく女性の特性や加齢の影響、さらにジェンダーや多様な性へと目を向けて変化する兆しが見えてきた。河野さんが言う。 「これからは女性を診る視点で、男性の病気を見直す場面も増えてくるでしょう。男性はこうだ、女性はこうあるべきというジェンダーに縛られると両性とも窮屈になります。 病は気からというようにメンタルが疲弊して病気になりかねません」 性差を重視した適切な診断と治療が、病気のリスク軽減や寿命に大きくかかわることがわかってきたが、世界に比べると日本はまだまだ“性差医療後進国”と言わざるをえない。どのような経緯で性差医療が切り拓かれ、発展してきたのかを明らかにしていくことで、今後の“可能性”が見えてくる。 ※女性セブン2024年11月14日号