【アイビスSD回顧】サンデー系不振のジンクス打ち破ったモズメイメイ スピード一辺倒から控えて差す形で復活果たす
59キロが響いたウイングレイテスト
2着ウイングレイテストは59キロを背負っていただけに、スピードで五分に渡り合えたことを評価したい。道中の手ごたえは勝ったモズメイメイを凌いでいたが、追い出してからの反応の差で敗れた。これも59キロという斤量ゆえのこと。決して悲観することはない。母系のサクラユタカオーと父スクリーンヒーローから豊かな成長力を注がれているとはいえ、7歳にしてスプリント重賞でこれほど安定して走れるのは異例。充実しているだけに、もうひとつタイトルをなんとしてもつかませてあげたい。 3着テイエムスパーダは逃げたマウンテンムスメや3番手チェイスザドリームともう少し一緒に競り合いたかっただろう。モズメイメイ、ウイングレイテストは併せる形をとれたが、テイエムスパーダは少し離れていたため、1頭で走る形になってしまい踏ん張りが効かなかった。とはいえ、やはりスピード勝負だとまだまだやれる。最近は単騎で行けない競馬も目立つが、行かせてくれる組み合わせになれば、いつ重賞3勝目をあげてもおかしくない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳